導入
2005年には半分以上もの会社がホームページを持っているなど、ホームページ制作はいろいろな会社が行っています。
ところがその一方で「ホームページ制作をしたいがそのための課題が解決できない」や「制作したはいいけれど運用がうまくいっていない」などホームページに悩みを抱えているところは少なくありません。
今回は中小企業が抱えやすいホームページ制作の課題と解消方法について説明してきます
中小企業がホームページ制作をするときに抱える課題
ホームページ制作を決めたとしてもその準備段階で懸念を抱くことがあります。ここではそうした懸念とその解消方法を見ていきます。
ホームページ制作の方針を決める
ホームページ制作を行うにあたり、課題として真っ先に思いつくのが「ホームページ制作ができるような技量を持つ人材がいない」ではないでしょうか。
中小企業の半数がホームページ制作のためのIT人材がいないなどと答えているぐらい、IT分野に関しては人材が不足しています。そのためITに詳しい人材がいないという問題は中小企業に普遍的な問題なのかもしれません。
IT人材の問題を解決する方法としてお勧めしたいのが「外部の力を借りる」ことです。
ホームページ制作は一定上の知識や技術が必要であることから、ホームページ制作を手掛けている会社や編集プロダクションが存在しているなど、ホームページ制作に関する仕事を受託している会社があります。
社内でウェブの担当を採用する必要はありません。
社内で人材がいない場合でも、外部であれば必要な知識や技術を持つ人はいますので、そうしたところに依頼をすればホームページ制作がおこなえます。
外部の会社に依頼するメリットは「品質が安定している」ことです。相手の会社側で研修や教育を行っている場合があるので、社員の多くが一定水準以上の知識や技術を持ち合わせていることから、制作されるホームページも一定水準以上の品質が期待できます。
デメリットは「お金がかかる」ことです。外部の方にお願いするのでこの点は仕方ないのかもしれません。
コストを抑えたい場合はクラウドソーシングなどフリーで活動している方の力を借りる方法もあります。クラウドソーシングでは様々な人材が存在しており、そうした方の中にはホームページ制作を得意としている人もいます。会社ではなく個人に依頼するため、ホームページ制作のコストがかなり安くなるのがメリットです。
ただし会社による保証がないため、品質は個人によってばらつきが発生しますので気を付けてください。
資金の不足は補助金を利用する
2つ目の課題は資金です。中小企業は大企業よりも資金が少ないことから、ホームページ制作に割り当てられる資金がないことも少なくありません。
そうしたときにお勧めしたいのが補助金の活用です。例えばサービス等生産性向上、IT導入支援事業事務局には「IT導入補助金」という制度があり、それを使えばホームページ制作に関する費用をまかなえます。ちなみに補助金の金額は20万~100万円、補助率は3分の2以下となっています。
補助金を出しているのはIT導入支援事業事務局だけではありません。日本商工会議所がおこなっている「小規模事業者持続化補助金 」もあります。こちらの補助金は50万円を上限として補助率3分の2以内となっています。
また自前でホームページ制作をするのであれば、無料ツールを使うことも考えてみてください。すべてを無料にはできませんが、ホームページ制作の一部の費用をカットできるので、コストかなり抑えられます。
ただし無料コストツールは機能に制限があることもあるため、ホームページ制作をした後に問題が起きることには注意してください。
ホームページに利用できる補助金情報
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中小企業が抱えるホームページ制作後の課題と解消方法
ホームページ制作が終わったら今度は制作した成果を確認します。その時にアクセス数をチェックすることが多いので、アクセス数に関する課題と解消方法を説明してきます。
SNSで宣伝してアクセス数を増やす
ホームページのアクセス数が増えないときはSNSの活用も考えてみてください。当たり前かもしれませんが、ホームページ制作したことを周囲に知られなければアクセスは増えません。
周囲にホームページのことを知らせるのに使うのがSNSです。無料で使用でき、かつ様々なユーザーとつながれることから、制作したホームページを宣伝する媒体としては好条件がそろっています。
さらにSNSでは場所と時間を問わずにほかの方とつながれることから、今まで関わり合いを持てなかった方とつながって顧客となる場合もあります。
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コンテンツを増やす
アクセス数が増えない原因としては「コンテンツ(記事など)が不足している」可能性もあります。そのため単純にコンテンツを増やすとアクセスも増えていきます。
基本的には記事を増やすだけでいいのですが、一定量以上のコンテンツを作ったら「ユーザー目線の記事を作る」ことも意識してください。
「こんなサービスがある」「こういったことが弊社の強み」と自分目線の記事を作りたくなりますが、それだけですとアクセス数は思ったようには増えません。ユーザーが知りたいことを伝えられないと、ユーザーが離れていってしまいますので。
ユーザー目線のコンテンツを作成しよう!
そのためコンテンツを作るときは「弊社のサービスを利用することでこんなメリットが得られる」、「こういった点であなたの役に立つ」などユーザーの目線に合わせたコンテンツを作るようにしましょう
とはいえいきなりユーザーの目線で考えるのは難しいかもしれません。もしもユーザー目線で考えるのが難しいようであれば、まずは自分たちの目線で書くようにしてください。
ホームページのコンテンツは後からも自由に変更できるので、書き足しなどの修正が容易に行えます。視聴者を侮辱するような倫理的に問題のある記事は出してはいけないですが、まずは自分たち目線でいいので記事を出して、後から修正するようにしても問題はありません。
SEO対策の実施
アクセス数を増やしたい場合は、コンテンツを増やすだけでなくSEO対策も必ず行うようにしてください。SEOとは「Search Engineering Optimization」の頭文字をつなぎ合わせて作られた言葉です。「検索エンジンの最適化」を意味しており、検索エンジンの上位に進出するための方法といってよいでしょう。
SEOがしっかりできると特定のキーワードで検索されたときに、自分たちのホームページにある記事が上位に出るようになりますので、アクセス数を増やすときには大切なこととなります。
SEO対策をする上での注意点
SEO対策をするときに気を付けてほしいのは「検索されるキーワードの厳選」と「お客様の悩みが解決される記事かどうか」の2点です。
「検索されるキーワードの厳選」は、どんなキーワードで検索したときに自社のホームページが上位に出るのかを決めます。
例えば緩衝材を販売している中小企業であれば、「緩衝材 コスト 安い」「緩衝材 コストパフォーマンスに優れる」といったキーワードで検索されることを想定します。中小企業の場合は、自分たちが有利になるキーワードをさがすのは特に重要です。
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コンテンツで問題解決ができているか!?
もう一つの「お客様の悩みが解決される記事かどうか」は、記事を読んでお客さんの悩みが解決されるかどうかで判断することです。
「緩衝材 コスト 安い」で検索したお客さんのことを考える場合「他社と比較してどれくらい安いのか?」や「性能に問題はないのか?」といった疑問あるいは悩みを抱えていることが予想されます。
そこで商品の安さだけでなく、「一般的な価格」や「安くなった理由」「特殊な製法だから強度は問題ない」といった内容もコンテンツに記載していきます。
お客さんの悩みは1つのコンテンツ内ですべて解決!
1つのコンテンツにあれこれ盛り込みすぎない。
内容的に1万文字以上になるなど、長すぎると読むのがつらくなることもありますので、そうした場合は複数の記事に分けてもいいでしょう。
分割する場合は各コンテンツのつながりを明確にするためにも、リンクを貼ってわかりやすくしてください。
SEO対策と何か小難しいことをするように思えますが、突き詰めれば見る人がわかりやすい仕組みを用意することです。そのため複雑なことを考えずに「どうすれば相手はコンテンツを最後まで見てくれるのか」を突き詰めて実践していけばおのずとSEO対策ができるようになります。
01 SEO OPERATION SEO対策(検索エンジン最適化)とは 検索エンジン最適化とは、検索エンジンのオーガニックな検索結果において、 特定のウェブサイトが上位に表示されるようウェブサイトの構成などを調整することで[…]
中小企業が抱えるホームページ制作後にお問い合わせが課題の解決方法
「アクセス数は伸びているが、お問い合わせは増えていない」というケースがあります。どういったことが原因なのでしょうか。
問い合わせするまでの経路を見直す
アクセス数が増えているのにお問い合わせが少ないときは、お問い合わせするまでの経路がしっかりと作られているかどうかを確認してください。
アクセス数がそれなりにあり、コンテンツもしっかりと読まれているのにもかかわらずお問い合わせが少ない場合は、お問い合わせフォームまで行けていない可能性が高いからです。
コンテンツは配信しているが、コンテンツの末尾ないし先頭にお問い合わせフォームがない場合は、お問い合わせをしたくてもどこに行けばいいのかわからない状態に陥るため、アクセス数に反してお問い合わせが少なくなってしまいます。
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コンバージョンの敷居を見直してみる
そのためホームページ制作をしてコンテンツを充実させたら、どのコンテンツからでお問い合わせができる仕組みを整えましょう。
またお問い合わせページを表示する手間についても考慮しないといけません。お問い合わせをするのは勇気を伴う行為であり、お問い合わせフォームを表示するまでに手間がかかってしまうと気持ちがそがれてしまい、お問い合わせまでいかないことがあります。
お問い合わせまでのルートはできるだけシンプルなものにしてください。
入力項目を見直す
お問い合わせの入力作業の煩雑さについてもチェックしてください。
お問い合わせでは住所や電話番号など様々なことを知るために入力項目が多くなり、結果として制限事項も多くなります。そのことがお客様にとっての煩わしさを生みていることが場合もあり、注意が必要です。
たとえば住所やメールアドレスなどで半角の英数文字だけしか受け付けないようにすると、お客様によっては全角で入力する癖があって、エラーとなる場合があるでしょう。こうした場合は全角・半角どちらにも入力できるようにすれば、エラーが減ってお問い合わせの件数が増えるようになります。
入力欄や項目は必要最小限に!
もう一つは、入力を自動化させるという方法もあります。郵便番号を入力すると自動で住所が入力されるというのを見たことはないでしょうか。ホームページ制作で使用したツールにて、そうした機能が使えるようであれば、お客様の負担が減せてお問い合わせ件数が上昇します。
ここで紹介したものは1ページ内で済むため小技のように思えるかもしれませんが、積み重ねれば効果が嘔気くなるので重ねていきましょう。
営業部などとの連携ができていない
お問い合わせが増えない原因はホームページ以外に原因があることも少なくありません。もしもホームページで問題が見当たらないときは、営業部などほかの部署との連携ができているかどうかを確認してください。
ホームページ制作はそれで終わりというわけではなく、その後の活動も大切となります。お問い合わせから、顧客とのコミュニケーションをとり見込み客へと育てていき、より自社の商品やサービスに興味を持つように誘導していく必要があるからです。
連携を深めてブランディングも一緒に行う
中小企業の場合、ホームページ制作ではそれ専用の部門が独立して動いて作ることもあります。そのためホームページを稼働したはいいけれど、他部門との連携が取れずに機会損失が起きたというケースは少なくありません。
他部門の方も他部門の方で今まで一生懸命頑張ってきたという自負があります。そのため協力を頼んでもよい返答が減られないことも考えられます。
そうした場合は社長など上層部の力を借りることも検討してみてください。心情的にはあったとしても上長からの命令には従ってくれるはず。
まとめ
中小企業が抱えやすいホームページ制作の課題と解消方法について説明していきました。近年はホームページ制作のツールが進化したため、制作の負担はだいぶ軽くなりましたが、準備や運用の課題については個々の会社が解決していかなければいけません。
これからホームページを持つ会社や制作していて運用に悩んでいる会社は、今後そうした点に気を付けてください。
この記事の監修者
永田達成
TATSUNARI NAGATA / 代表取締役
株式会社Soeluの代表取締役。1987年生まれ。福岡県出身。
2010年に大学卒業後、地元福岡のウェブ制作会社に営業として入社。
2019年に個人事業主として独立し、2021年に株式会社Soeluを設立。
現在は福岡を中心に東京・神奈川・大阪・名古屋・札幌など全国から多くのクライアント様とウェブを通して活動中。
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