中小企業の多くは集客に困っており、解決する方法を常に検索していると言われています。
Web上で集客を改善するための施策はたくさんあり、その中でも重要なものがSEO対策です。本記事では中小企業がSEO対策に取り組むべき理由やSEO対策を成功させるポイントについて紹介します。
SEO対策は簡単に始めることができ、かつ自社で運営することで必要以上の経費を抑えることもできる為、予算が限られている中小企業は必ず取り組むべき対策となります。
※初めてSEO対策を取り入れる企業については最初は専門の業者にサポートしてもらいながら対策を進めていくことをお勧めします。
中小企業にとってSEO対策が重要な理由
なぜ中小企業にとってSEO対策は重要になるのか、理由を詳しく紹介します。
少ない費用で高い成果を期待できる
SEO対策は比較的少ない費用で高い集客効果を期待できるため、予算が限られている中小企業におすすめの施策です。
SEO対策は既存のホームページやブログ、SNSなどを活用すればすぐに実施できます。SEO対策を導入するのに費用はほとんどかかりません。外注する場合に限り、ある程度の費用がかかる程度です。
SEO対策が上手くいくと大きな効果を期待できるため、費用対効果がとても高い施策といえます。高額な広告費をかけても期待通りの集客効果が出なかった中小企業にとって、SEO対策はメリットが大きい施策です。
SEO対策に取り組むことで売上アップを期待できる
SEO対策に取り組むことで、ホームページやECサイトなどの環境が改善されます。SEO対策の1つとして内部対策があり、サイト内の構造の最適化を図ることで快適に利用できるサイトを実現できるでしょう。
読み込みが早くて、どこに何があるのかわかりやすいサイトであれば、ユーザーは長く滞在して、各コンテンツを閲覧し、商品・サービスの行動を検討します。
SEO対策に取り組むことで、サイトを訪れたユーザーに購入を促す効果を期待できるのは大きなメリットです。
SEO対策をしていない競合企業よりも優位に立てる
すべての企業がSEO対策を適切に実施しているわけではありません。
また、SEO対策を行っても、結果が出ていない企業もたくさんあります。その中でSEO対策を実施して効果を出すことができれば、競合企業よりも優位に立てるでしょう。
SEO対策で効果が出れば、中小企業であっても検索順位でトップに立つことも不可能ではありません。中にはSEO対策に成功して大手の競合企業よりも検索順位を上げたケースがあります。
中小企業の認知度を高めることができる
SEO対策に取り組むことで企業の認知度を高められるのがメリットです。
中小企業は大々的に広告を打ち出すことが難しく、メディアに取り上げられる機会もあまりありません。SEO対策であれば、中小企業でも効果を出すことができて、検索順位を上げられれば自然に知名度を上げることが可能です。
近年はインターネットで情報を集める人がたくさんいます。
何か悩みや不安を抱えていて、問題を解決するためにインターネットで検索する人は多いです。SEO対策に取り組み、人々の悩みや不安を解決するコンテンツを充実させれば、検索エンジンを経由して多くの人に企業の存在を知ってもらえます。その結果、企業の認知度が高まるため、集客や購買行動を促すことにつなげられるでしょう。
中小企業がSEO対策に取り組む上で注意しておきたい点
これから中小企業がSEO対策に取り組む際に注意しておきたい点を紹介します。
SEO対策の成果が出るまでに時間がかかる
SEO対策を実施してから明らかな成果が出るまでには長い時間がかかる点に注意しましょう。
一般的には3ヶ月から6ヶ月程度でSEO対策の効果が出るとされています。(ジャンルやキーワードにより異なります)
しかし、実際には1年以上かかってから効果が出るケースも少なくありません。新規にホームページの作成から始める場合は、集客に結びつくまでにさらに長い期間がかかるでしょう。
Googleの検索順位は、各ホームページをロボットが巡回して評価することで決まります。世界中のホームページをチェックしていき、ページの価値について十分な調査や分析を行うことになり、どうしても時間がかかります。
中小企業は長期的なスケジュールでSEO対策を考え、できるだけ早くスタートさせることが大切です。
SEO対策には専門的な知識が要求される
SEO対策に取り組むには専門的な知識が要求されます。正しい知識と経験のある者がSEO対策に取り組まないと効果を出すことは難しいでしょう。
SEO対策を正しく行うためには、検索順位が決まる仕組みやホームページの内部構造、デジタルマーケティングなどについての知識が必要です。
Googleのアルゴリズムは頻繁に変更されるため、常に最新の情報を把握する必要があります。SEO対策の結果の分析を行うためのスキルも重要です。
SEO対策の担当者はさまざまな分野の専門知識が要求され、常に知識のアップデートが必要になります。そのため、誰にSEO対策を担当させるのかが大事です。中小企業の場合は人材が限られているため、SEO対策を外注で依頼することも検討しましょう。
SEO対策の費用対効果を意識しておく
特にSEO対策を外注して取り組む場合は、費用対効果を意識しましょう。
たとえSEO対策で高い効果が出たとしても、多くの費用がかかっては意味がありません。たとえば、積極的に広告展開をすれば検索順位は上がるのですが、広告費用を回収できなければマイナスです。
SEO対策で高い効果を期待するならば、プロに外注することをおすすめします。SEO会社にSEO対策を依頼する場合は費用がかかるため、それだけの価値があるか見極めることが重要です。
月々に数十万円かけて、実際に効果が出るまで1年以上かかる可能性があります。それだけの時間と費用をかける価値があるのか、費用対効果に注目しましょう。
大企業の真似をしてはいけない
SEO対策に取り組む際に大企業の真似をしてはいけません。
大企業は既に知名度があり、ブランド力や資金があるため、SEO対策で優位な立場にあります。大企業は積極的にプロモーションに力を入れており、トップページに多数の被リンクが集まっているケースが少なくありません。
大企業は圧倒的に有利な立場からSEO対策を進めており、中小企業が真似をしてもあまり意味がないです。大企業と同じことをしても、勝つことは難しいでしょう。
知名度の低い中小企業は、大企業とは異なる方向性でSEO対策を進めていく必要があります。たとえば、ニッチなキーワードを狙い、専門性の高さで勝負するといった戦略が必要です。
SEO対策の基本
SEO対策を行う上での基本を紹介します。
Googleで上位表示されるWebサイトを目指すのがSEO対策
SEO対策とは検索エンジンで自社サイトを上位表示させるための施策のことです。
基本的にはGoogleで上位表示させることを目標にします。実際にはGoogle以外にも検索エンジンは存在するのですが、検索エンジンのシェアは90%以上がGoogleです。そのため、Googleに特化した対策を取ることがSEO対策では重要になります。
Google以外でシェアの高い検索エンジンはBingです。BingはMicrosoftが提供する検索エンジンであり、一定のシェアがあります。余裕があれば、Bingへの対策も意識しましょう。実際にはGoogle向けのSEO対策とBing向けのSEO対策は共通している部分が多く、Google向けの対策はBingでの検索順位にも効果があります。
SEO対策の基本は内部対策と外部対策
SEO対策は大きく分けると内部対策と外部対策があります。
内部対策とは、Webサイトに直接施すSEO対策のことです。サイト内のHTMLやファイルなど内部構造を最適化して検索順位を上げることを目指します。
一方、外部対策とは被リンクを獲得するための施策のことです。外部サイトや外部サービスを通じて自社サイトへの被リンクを増やすことで検索順位のアップを図ります。
SEO対策を行う上で内部対策と外部対策はいずれも重要です。
内部対策の内容
SEO対策の内部対策の内容の主なものを以下にまとめました。
- 内部リンクの最適化
- XMLサイトマップの作成
- URLの正規化
- タイトルタグの最適化
- メタディスクリプションタグの設定
- 構造化データのマークアップ
内部対策は大きく分けるとクロール最適化とインデックス最適化があります。
クロール最適化とはクローラーが自社サイトを巡回しやすくするように最適化を図ることです。クローラーとはWebサイトを巡回するプログラムであり、クローラーが訪れないとGoogleにサイトを認識してもらえません。
インデックス最適化とは、クローラーにWebページをインデックスしてもらいやすくすることです。クローラーがWebページのデータをデータベースに格納することをインデックスと呼びます。インデックスされなければGoogleの検索結果に表示されません。
クロール最適化とインデックス最適化を行い、なおかつ質の高いコンテンツを掲載することで、Googleの検索結果における順位を上げられます。
外部対策の内容
外部対策の具体的な内容を以下にまとめました。
- コンテンツを発信する
- SNSを活用する
- ウェビナーを配信する
- ダウンロードできる資料を提供する
- プレスリリースを配信する
- リンク掲載を依頼する
外部対策は、外部から注目されやすいコンテンツの提供を行うのが基本となります。自社製品やサービスに関する記事をアップする以外にも、資料の提供やウェビナーの配信、プレスリリースの配信なども効果的です。
また、昔からある方法としてリンク掲載を依頼するのも効果があります。たとえば、取引先や関連企業などにリンクの掲載を依頼してもらえば、被リンクを増やせます。
中小企業がSEO対策を成功させるポイント
中小企業がSEO対策に取り組み成功させるためのポイントを紹介します。
ツールを活用する
SEO対策に取り組む際には積極的にツールを活用しましょう。たとえば、キーワード調査やサイト内部の診断、競合サイトの調査などができるツールがあります。無料ツールだけでもさまざまなことができて便利です。
SEO対策で必須とされているのはGoogle公式が提供しているツールです。Googleアナリティクスと「Google Search Console」は最低限使用しましょう。
専門性を重視する
中小企業がSEO対策で効果を出すには専門性を重視することが大切です。
多くの中小企業は、大企業が注目していないニッチな分野で勝負しています。ニッチな分野における専門性を前面に押し出すことで、検索順位を高めることができるでしょう。
自社サイト内には専門性の高いコンテンツを充実させて、ニッチな分野における疑問や悩みを解決することを目指します。そうすれば、大企業とは別の方向性で活路を見いだせるでしょう。
いきなりビッグキーワードを狙わない
基本的にSEO対策ではビッグキーワードを狙わないことが大事です。
ビッグキーワードは大企業がSEO対策に取り組んでいて競争が激しくなっています。予算が限られている中小企業がビッグキーワードで勝負しても負ける可能性が高いです。
中小企業がSEO対策に取り組む際には、他の企業があまり注目していないニッチなキーワードを狙うことをおすすめします。ニッチなキーワードについて掘り下げたコンテンツを展開することで、比較的容易に検索順位を上げることが可能です。
ビッグキーワードよりも短期間で成果を上げることを期待できます。
ユーザー視点を意識する
SEO対策はユーザー視点を意識することが基本になります。
ユーザーが知りたいコンテンツを掲載しなければアクセスは増えません。また、サイトの内部構造もユーザーが快適に利用できることを重視する必要があります。常にユーザー視点を意識しながらSEO対策を進めることで、大きな効果を期待できるでしょう。
自社でSEO対策が難しい場合は外注も検討
社内にSEO対策を行うノウハウや人材が不足しているのであれば外注することをお勧めします。また、SEO対策を外注する際のポイントについて紹介します。
SEO対策を専門的に扱う会社やサービスがある
SEO対策を専門的に請け負っているサービスがあります。SEO会社と呼ばれており、クライアントのSEO対策のコンサルティングや代行を行っているのが特徴です。
SEO会社は内部対策から外部対策まで対応してくれます。さらに、ホームページ作成からホームページの保守運用まで幅広く対応しているケースもあり、会社ごとの違いは大きいです。
複数の業者から見積りをもらい比較することが大切
SEO会社を探す際には複数の業者から見積りをもらって比較することをおすすめします。
同じ依頼内容であっても、SEO会社によって費用は大きく異なるものです。SEO対策を進める上で費用対効果は重要になるため、あらかじめ費用の比較をしておきましょう。
また、単に費用面を比較するだけではなく、料金システムやサポート内容などの詳細を確認しておくことも大切です。実際に依頼した後で追加費用を請求されてトラブルになるケースもあります。契約をする前に疑問点について説明を求めましょう。
業者に外注したい作業範囲を明確にしておく
SEO会社に依頼する場合は、外注したい作業範囲を明確にしておくことが大切です。
たとえば、自社サイトの内部対策だけを依頼したいケースがあります。あるいは、コンテンツ制作までプロに任せたいケースもあるでしょう。外注したい作業範囲を明確にすることで、正確な見積りをもらうことができて、業者との打ち合わせをスムーズに進めることができます。
自社の業界・業種について実績のある業者を選ぶ
SEO対策はそれぞれの業界・業種ごとに意識すべきポイントが異なっています。SEO会社には得意分野と苦手分野があるため、自社の業界・業種を得意としている業者に依頼しましょう。
たとえば、製造業の企業が自社サイトのSEO対策を外注したいならば、製造業の企業の依頼を請け負って成果を上げた実績のあるSEO会社を探すことをおすすめします。自社の業界・業種について深く理解しているSEO会社であれば、効果的な提案をしてくれるでしょう。
まとめ
中小企業がSEO対策を行うならば、大企業の真似ではなく、自社の専門性の高さを活かす方向性を目指すことが大切です。
自社にノウハウがないならば、SEO会社への外注も検討しましょう。SEO対策を適切に行うことで、中小企業は知名度が上がり、サイトへの流入を増やして売上アップを実現できます。
以上今回は中小企業が集客の為に実施するSEO対策についての実践的な解説とメリット・デメリットになります。是非この機会に自社サイトのSEO対策に取り組まれてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
永田達成
TATSUNARI NAGATA / 代表取締役
株式会社Soeluの代表取締役。1987年生まれ。福岡県出身。
2010年に大学卒業後、地元福岡のウェブ制作会社に営業として入社。
2019年に個人事業主として独立し、2021年に株式会社Soeluを設立。
現在は福岡を中心に東京・神奈川・大阪・名古屋・札幌など全国から多くのクライアント様とウェブを通して活動中。
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