今回はコンテンツSEOを行なっているサイトの事例を6つご紹介します。
コンテンツSEOを始めようと思っていても、「内容をどうしたらいいのかわからない」「BtoBでも効果はある?」と疑問に感じる方も多いかもしれません。SEOは複雑な内容も多いため戸惑ってしまいますよね。6つの事例はできるだけジャンルが被らないようピックしましたので、類似事例を中心にぜひチェックしてみてください。
また、併せてコンテンツSEO成功の秘訣と2023年のSEO動向もご紹介します。記事を作る上でまず重視したい「ユーザーの検索意図」から、2023年の動向も掲載しておりますので、特にこれからコンテンツSEOを始める方は最後まで読み進めることをおすすめします。
コンテンツSEOとは
コンテンツSEOとは、検索エンジンの検索結果で上位に表示されるための良質なコンテンツを作成する施策のことです。
検索結果で上位になるほどサイトへのアクセスは増えるため、それに応じて問い合わせ数や売り上げの増加が見込めます。社内でコンテンツを作ると広告費のカットにも繋がるため、近年注目されています。
(参照 「【2022年】コンテンツマーケティングのトレンド調査」)
そのほか、コンテンツSEOのメリットとしては
- ニーズにマッチした集客ができる
- 社員教育・営業資料に応用できる
- ブランディングに繋がる
などが挙げられます。コンテンツSEOについてメリットや方法を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
関連リンク コンテンツSEOとは?5つのメリットと記事の作り方を解説
コンテンツSEOの事例
この章では、実際にコンテンツを配信しているサイトの事例をご紹介します。教育、生活用品EC、医療系など、さまざまな内容のメディアをまとめましたので、これから行うコンテンツSEOに近い事例をぜひチェックしてみてください。
北欧、暮らしの道具店
北欧デザインなど、北欧に関連する生活道具を販売しているECサイトです。
「北欧 インテリア」、「北欧 食器」などで検索結果上位に位置しています。サイト内ではスタッフによる商品レビューや季節行事に関するコラムを発信中。
SNSのフォロワー数は120万人を突破し、SEO以外にもコンテンツを積極的に配信しているのも特徴です。
株式会社LIG
株式会社LIGは、東京都でWEB制作などの事業を展開している企業です。
サイト内では「LIGブログ」というコンテンツを発信中。フォントやフリー素材の紹介など、WEB制作に役立つ記事が多いですが、社員の部活動や社内イベントのレポートなど、会社の雰囲気が伝わる内容のものも連載しています。
これにより、「WEBマーケティング=難しそう、問い合わせしにくそう」といった印象を払拭し、親しみを感じられるコンテンツとなっているのが特徴です。SEOとしては、「デザインおすすめ本」、「フリー写真素材サイト」など、WEBに関連する用語で検索結果上位に位置することが多いです。
PMSラボ
大塚製薬株式会社が運営している「PMSラボ」。
同サイト内ではPMS(月経前症候群)に関するニュースや対策などの役立つ情報を発信しています。PMSの月間検索数は100万回以上と、かなりのビッグワード。そうした状況でも、PMSラボは検索結果上位を維持しています。医師の監修をつけるなど、記事に信頼性を持たせているのが要因の一つでしょう。
医療だけに限りませんが、Googleは記事の信頼性を重視して検索結果の順位を決めていると言われています。そのため、記事を作成する際に「誰に監修してもらえば信頼が高まるか」を検討するのもおすすめです。
スタディサプリ進路
スタディサプリは、リクルートマーケティングパートナーズが運営しているネット予備校、アプリです。
サイト内では、「スタディサプリ進路」として、進学に役立つ情報を配信しています。数々の「職業名 なるには」のキーワードで検索結果上位に位置しているのが特徴。記事内では、職業の業務内容や年収のほか、実際にその職業の人へのインタビュー、おすすめの学校・大学などが掲載されており、内容の濃さがうかがえます。
美味しいワイン
ワインに関するワードの多くで検索結果上位に表示されているワインメディア「美味しいワイン」。
複数人のソムリエによる監修や、スタッフの写真を掲載する、実際に飲んだワインのみレビューするなどして、記事の信頼性や独自性を高めています。また、コンテンツ記事を作る上で参考にしたいのが、記事の情報量です。
「オススメのワイン240選」、「缶ワインを38本レビュー」など、1記事5,000字以上の記事も多く、読み応えがあります。
キナリノ
キナリノは、カカクコム株式会社が運営しているライフスタイルメディアです。
キナリノモールという生活雑貨・ファッション用品のECも展開しています。「自分らしい暮らしがかなう」をコンセプトにしており、ファッションやインテリアなどで検索結果上位となっていることが多いです。
ほぼ毎日コンテンツが配信されているにも関わらず、記事テーマや写真の印象が統一されているのが特徴。
コンテンツSEO成功の秘訣
続いて、先ほどの事例をふまえ、コンテンツSEO成功の秘訣をまとめました。
意外と見落としがちなこともあるかもしれませんので、ぜひお役立てください。
ユーザーの検索意図にあった内容を
コンテンツSEOで検索結果上位に表示されるには、ユーザーの意図を理解することが必要です。意図(ニーズ)に合っていないと、ユーザーは「自分には関係ないサイトだ」とすぐに離脱・直帰してしまいます。
その結果、検索エンジンからの評価が下がって上位表示から落ちてしまうことも。そのため、ユーザーの検索意図を理解することが大切なのです。
例えば、ある人が「博多駅 カフェ」と検索するとしましょう。
そこで「博多駅でカフェを開業するなら、○○がおすすめ。まずは△△の手続きをしよう。続いては…」など、カフェを開業したい人向けの記事を作成しても、上位表示は難しいかもしれません。なぜなら、ユーザーの検索意図に合致していないためです。
この場合、「博多駅周辺のカフェを知りたい」というのが意図と考えられそうです。実際、このキーワードで検索すると、
- 博多駅でおすすめの美味しいカフェ
- 博多駅周辺のカフェで今年人気のおすすめ30店
といったページが上位表示されています。今回の例だとわかりやすいかもしれませんが、ユーザーのニーズを満たしていない記事は時々見受けられます。
そのため、記事を作成する際は、そのキーワードを検索するユーザーがどのような情報を求めているのかを検討してみてください。
見やすさ・使いやすさもチェック
コンテンツSEOでは、記事内容の質だけでなく、見やすさ・使いやすさも大切です。例えば、クオリティの高い文章でも小さい文字で改行なしにズラーっと文字が羅列されていたら、読みたくなくなってしまうのではないでしょうか。このような例でなくとも、
- 広告が多すぎる
- 目がチカチカするような配色
- リンクが全て別ウィンドウで開いてしまう
などの理由で、サイト閲覧をやめてしまった経験がある方も多いかと思います。そのため、内容の質だけでなくサイト全体の見やすさも意識してみてください。
- 図解があった方がわかりやすい
- 表示速度を上げた方がいい
など、改善のポイントが出てくるはずです。
この見やすさに関連して、チェックしておきたいのが、スマホからの見え方です。総務省の調査によると、現在ネットを利用する際にスマートフォンを使う人が過半数となりました。
(参照 「令和2年通信利用動向調査の結果」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/210618_1.pdf)
パソコンからはデザインが整っていても、スマートフォンでは配置や文字の装飾が崩れている、というケースもあります。そうならないためにも、スマートフォンではどう見えているかを確認しながらコンテンツ作成を進めていきましょう。
テーマを絞るのも有効
ビッグワードはすでに大手が検索結果上位を独占していることも。
そのため、あまり予算がかけられなかったり、特化した商材があったりする場合は、コンテンツのテーマを絞るのも良いかもしれません。先ほどの事例でいうと、「PMSラボ」や「美味しいワイン」はコンテンツのテーマが特化されています。
- 健康
- アルコール飲料
といった大きなカテゴリで上位表示を狙うのが難しい場合は、そうしてテーマを絞ってみてください。ただしあまりにもニッチなテーマだと、かけた労力(費用、時間)に応じた結果(売上増、ブランディングなど)が得られにくいこともあります。
そのため、月間検索回数や市場規模をふまえた上でテーマを検討するのがおすすめです。月間の検索回数は、様々なツールを使って無料で調べることができます。
2023年のSEO動向予想
検索エンジンのアルゴリズムが変わるごとに、検索結果の順位も変わります。
注目したいのはGoogleのアルゴリズムや品質評価ガイアドラインのアップデート内容。2022年の変更内容とともに、これからのコンテンツ作成で意識したいことをご紹介します。
「経験」が重視されていく
Googleの品質評価ガイドラインが、2022年12月に更新されました。
主な変更点は、高品質の基準が「専門性、信頼性、権威性」から「経験、専門性、信頼性、権威性」へと、経験が追加されたことです。商品レビューや観光地情報など、実際に使って(訪れて)いなくともネット上の口コミ等を組み合わせて作られた記事もありました。
今回のアップデートで、そうした内容は順位が下がっていくかもしれません。対策としては、コンテンツ作成者が実際に体験して記事を作ることが挙げられます。それが難しい場合は、体験談の掲載や、体験した人へのインタビュー等、「実体験」がうかがえる内容にしていくことが大切です。
Googleが求める信頼性
先ほどの品質評価ガイドラインにおいて、経験、専門性、信頼性、権威性の要素では信頼性がもっとも重要であることが示唆されました。
すでに経験要素が入っている記事だとしても、これからは「誰が経験しているのか」、「誰が書いているのか」が重視されていく可能性があります。
コンテンツ作成者=専門家でない場合は、監修をつけるなどして、記事の信頼性を高める工夫が必要となるかもしれません。特に、医療・健康、金融、法律など、人生に大きな影響を与えるテーマ(YMYLジャンル)ではその傾向が顕著となると考えられます。
まとめ
今回はコンテンツSEOの事例をご紹介しました。
上位表示されるサイトは、ユーザーの検索意図を理解していることが多いです。そのため、コンテンツ作成前にユーザーの意図の把握をおすすめします。また、近年ではネットを利用する際にパソコンを使う人よりもスマートフォンを使う人の方が多くなりました。
「パソコンではちゃんと表示されるのに、スマホだと見にくい」というサイトは改善を目指してみてください。使いやすさが向上すると、ユーザーが他のコンテンツも訪れるようになり、その結果、検索エンジンからの評価が高まることも考えられます。
なお、2023年のSEOは
- 経験
- 信頼性
が重視される傾向がうかがえました。これにより、既存のコンテンツでも順位変動が起こるかもしれません。記事を作成・リライトする際は、
- 実体験を交える
- 権威者の監修をつける
などをして、このアップデートに沿った内容にすることが大切となってくるでしょう。
この記事の監修者
永田達成
TATSUNARI NAGATA / 代表取締役
株式会社Soeluの代表取締役。1987年生まれ。福岡県出身。
2010年に大学卒業後、地元福岡のウェブ制作会社に営業として入社。
2019年に個人事業主として独立し、2021年に株式会社Soeluを設立。
現在は福岡を中心に東京・神奈川・大阪・名古屋・札幌など全国から多くのクライアント様とウェブを通して活動中。
永田達成の代表プロフィールはこちら
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