中小企業に必要なホームページの作成と運用方法について徹底解説します。お知らせ

ホームページは新規顧客の獲得や人材採用など、さまざまなメリットがあります。ホームページはもはや「あると便利」ではなく「なくてはならないもの」になりつつあります。

一方で、「作成方法がわからない」「運用のノウハウがない」といった企業も散見されます。ここでは、中小企業がホームページを持つ意味やメリット、作成方法、効果的に運用するにあたってのポイントを具体的に解説していきます。

中小企業にこそホームページが必要な理由

ホームページは、中小企業との相性がとても良いツールです。そして、企業としての体力や生存力を高めるための必須ツールでもあります。

まずはその理由を整理してみましょう。

信頼性強化：企業の“顔”になる

ホームページは、Web上における「企業の顔」になります。

インターネットで見込み顧客が自社を知り、アクセスする際の重要な接点となります。例えば名刺をもらったり、紹介を受けたりした際にも、相手はまず「どんな会社か？」を確認するためにホームページを訪れることが一般的です。

このファーストコンタクトでの印象がよければ、その後の商談や問い合わせにつながる可能性も高まります。企業の成り立ちや経営者の理念、主な商材、実績などがまとめられたホームページは、人間でいえば「職務経歴書」や「履歴書」に該当します。

しっかりと作成されたホームページに対して見込み客は、「ここなら信頼できそうだ」という印象を受けます。

集客ツールとしてのコスパが高い

ホームページは、「プル型（誘因型）」のマーケティングツールです。

プル型とは、「見込み客が必要な時に、みずから近寄ってきてくれる」という意味を持ちます。これに対してプッシュ型のマーケティングツールは、「自社から見込み客にアプローチする」ことが前提です。端的に言えば広告やテレアポですね。

プル型のツールは、プッシュ型に比べると費用が小さくて済むうえに、競合との差別化がしやすいことが特徴です。営業・広告は予算の額に比例して成果が出やすいため、一定以上の予算を投資しなければ、競合に勝つことが難しくなります。

しかしホームページならば、営業や広告に多額の予算をかけることなく、継続的な集客が可能です。リスティング広告やSNS広告に比べて即効性は劣りますが、長期的に見ると投資対効果は非常に高くなります。

特にSEO対策を行うことで、広告費をかけずに安定した集客効果を得られるようになります。

Web集客の着地点

プッシュ型の広告に予算を投資する際にもホームページは必須の存在となります。

リスティング広告やSNS広告で自社を知った見込み客を、「着地」させるための起点がホームページだからです。また、問い合わせフォームや資料請求ページへの導線を設けることで、見込み顧客を「商談」や「見積り」に近づけることができます。

さらに、Web広告との連携やLP（ランディングページ）とも柔軟に組み合わせることができるため、まさにWeb集客の中心的な存在です。営業や広告に多額の予算を投資できないからこそ、Web集客で効率性を重視したい、という中小企業には非常におすすめできるツールと言えます。

採用やパートナー開拓にも影響

ホームページは、採用や事業のパートナー探しにも役立ちます。

企業理念、代表メッセージ、社内風景などをコンテンツ化することで、「この会社で働きたい」「この会社と組みたい」と思ってもらうきっかけになることがあります。特に自社で採用活動を行う場合は、求職者が第一にチェックするホームページの存在が重要です。

また、事業内容や得意分野、強み、実績などを掲載することで、提携企業との出会いにもつながります。

中小企業に合ったホームページの作成ステップ

次に、ホームページの作成ノウハウについて解説します。

ホームページはブログや広告とは異なり、まず「目的」や「構造」を設計することから始まります。また、どういったコンテンツをどのように配置するか、検索結果への露出はどうするかなども考慮しなくてはなりません。

ここでは、中小企業に向けたホームページの作成ステップを5つに分けて紹介します。

①目的を明確にする（集客／ブランディング／採用など）

ホームページを作る際にまず必要なのは、目的の明確化です。

たとえば、集客を主目的とするならSEO対策や問い合わせへの導線設計が重要になります。一方で、採用が目的ならば社内の紹介や求人情報の充実が求められるでしょう。

さらに、近年ではブランディング目的でホームページを活用する企業も増えています。

企業理念、代表メッセージ、ビジョン、事業にかける想いなどを発信することで、顧客だけでなくパートナーや求職者にも好印象を与えることができます。特に中小企業の場合、大手と比べて情報量が少ないため、ホームページが「企業らしさ」を表現する重要な場になります。

このように、目的によってサイト全体の構成・デザイン・必要なコンテンツは大きく異なります。

②作成方法の選定

ホームページの作成方法は大きく分けて「外注」と「内製」の2つに分かれます。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状況に合わせて選びましょう。

【外注：制作会社に依頼する場合】

メリット：デザイン・構成・SEOまでプロに任せられる／手間がかからない／品質が安定しやすい

デメリット：初期費用が高め／運用更新にも費用がかかる場合がある／制作完了まで時間がかかることも

外注を検討する場合は、費用相場に加えて、「更新作業を依頼できるか」といった運用面も事前に確認しておくことが重要です。

【内製：自社で作成する場合】

メリット：コストを抑えられる／自社のタイミングで変更・更新が可能／ノウハウが社内に蓄積する

デメリット：デザインやSEOの専門知識が必要／完成までに時間がかかる／担当者の負担が大きい

内製の手段としては、WordPressやWix、JimdoなどのCMS（コンテンツ管理システム）を使う方法が一般的です。

特にWixやペライチなどはテンプレートが豊富で、初心者でも比較的簡単に作成できます。一方で、WordPressは自由度が高く本格的な構築が可能ですが、サーバーやドメインの管理、プラグインの設定など中級者以上向けの側面もあります。

したがって、「本格的なホームページを作成したいが、社内にリソースがない」という場合は、外注先の選定に取り掛かるほうが賢明かもしれません。

③コンテンツ構成の基本（トップページ／サービス紹介／お問い合わせ）

中小企業のホームページにおいて、必要最低限の構成は以下4つです。

• 「トップページ」
• 「サービス紹介」
• 「会社概要」
• 「お問い合わせフォーム」

また、導入事例、料金表、よくある質問（FAQ）などのページを用意することで、訪問者の疑問や不安を払拭し、信頼性を高めることができます。特に採用やブランディングを目的とする場合は、社内の写真や社員の声など、「顔が見える」情報を盛り込むと効果的です。

④スマホ対応

現代のインターネット利用では、スマートフォンからのアクセスが全体の約6〜7割を占めているとも言われています。

そのため、スマホ対応（レスポンシブデザイン）は必須です。Googleも「モバイルフレンドリーなサイト」を評価の基準としているため、スマホ対応が不十分なサイトは検索順位に悪影響を受ける可能性があります。

⑤SEO対策

最後のステップは「SEO（検索エンジン最適化）対策」です。Web集客の観点から言うと、最も重要なのがこのステップです。

SEO対策の基本は「検索エンジンに対して、適切に情報を提供すること」と「ニーズに沿ったコンテンツをキーワードに沿って作成すること」の2点です。

一般的なSEO対策の基本としては、下記が挙げられます。

• ページタイトル（titleタグ）の設定　：　検索エンジンに内容が伝わる簡潔なタイトルにします。
• 見出し構造（h1, h2など）の設計　：　コンテンツの中に「論理的に整理された構造」を持たせ、「検索エンジン」と「人間」の両方に対して情報のガイドを行うための設計です。
• metaディスクリプション　：　ページの概要を設定し、検索エンジンの評価向上クリック率向上を狙います。

さらに、トップページだけでなくサービス内容を掘り下げた下層ページを充実させることで、検索対象となるキーワードが増え、SEO効果が高まります。

たとえば「〇〇業向けサービス」「△△の課題を解決」「導入までの流れ」などを個別のコンテンツとして用意すると、検索エンジンからの流入を増やしやすくなります。

作っただけでは意味がない、ホームページの運用の考え方

ホームページは作っただけでは意味がありません。ホームページの「運用面」についてもしっかりと理解しておくことが重要です。

定期的な更新が信頼を高める

ホームページは「作ったら終わり」ではなく、「作ってからが本番」です。

長期間更新されていないホームページは、訪問者に「この会社は活動していないのでは」といった不安を与えてしまいます。SEO的に見ても、情報が古いまま放置されているホームページは、検索順位の低下やユーザーの離脱につながるリスクがあります。

一方で、お知らせや導入事例などのコンテンツを定期的に更新していくことで、「活発に活動している企業」「情報発信に積極的な企業」という印象を与えられます。検索エンジンからの評価も上がりやすく、定期的な更新は全方面においてメリットをもたらします。

さらにオウンドメディアを連携させれば、SEO効果や流入数の向上も期待できるでしょう。オウンドメディアはホームページとの相性がとてもよく、ストック型の資産になるツールです。

アクセス解析で改善を繰り返す

ホームページを公開した後は、アクセス解析ツールを使って効果測定を行いましょう。

GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールといった無料ツールでも、訪問数や流入経路、滞在時間、離脱率など多くの情報を取得できます。これらのデータを分析することで、「どのページが読まれているか」「どのキーワードから流入しているか」「どの導線で問い合わせに至っているか」などが見えてきます。

その結果に基づき、コンテンツを改善していくことが、成果につながるホームページ運用のポイントです。「作って終わり」ではなく、「使いながら育てる」姿勢を意識しましょう。

業務と兼任でも続けられる運用体制づくり

多くの中小企業では、ホームページ運用のために専任の担当者を置いていません。

つまり、他の業務と兼任して行っているケースがほとんどです。そのため、「誰が更新するのか」「どこまで内製でやるのか」「外注の範囲はどこまでか」といった運用体制の設計が重要になります。

商材の更新やお知らせ程度であれば、社内で行える場合もあります。しかし、下層ページやオウンドメディアのコンテンツ作成、デザインやSEO的な分析などは専門性が必要な分野です。

リソースが足りない場合は、更新業務や運用の一部を外部に委託することも視野に入れましょう。社内で内製にこだわるのではなく、「継続できること」を最優先に体制を設計することが鍵です。

まとめ

中小企業がWeb集客を成功させるためには、ホームページの存在が不可欠です。単なる名刺代わりではなく、信頼獲得・集客・採用といった目的に応じた設計・運用が必要になります。

重要なのは「”作る”で終わらせないこと」と「目的に沿って活用し続けること」です。売上、採用、ブランディングと企業活動の全方面で役立つツールだけに、適切な作成・運用を心掛けたいですね。