SEO施策ときいて、最初にコンテンツ制作を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。確かに良質なコンテンツをたくさん制作することで、検索エンジンから評価されやすくなるのは事実です。
しかしサイトやコンテンツを正しく評価してもらうには、サイト構造の最適化も欠かせません。せっかく良いコンテンツを制作しても、サイト構造が原因で必要以上に評価が低くなってしまう恐れがあります。
本記事ではSEO施策で大切となる、サイト構造の最適化について解説します。
SEOにおけるサイト構造の最適化とは
SEOとサイト構造の最適化には、どのような関係があるのでしょうか。SEO施策における意味や必要性について解説します。
SEO内部対策のひとつ
サイト構造の最適化とは、SEO内部対策のひとつです。内部対策とは自サイトやコンテンツの内部に対して行う施策を意味します。
SEO内部対策は大きく3つの種類に分けられます。
- クロール対策:検索エンジンのクローラーに発見してもらいやすくする対策
- インデックス対策:クローラーがコンテンツの内容を正しく理解できるようにする対策
- ランキング対策:検索順位での上位表示を実現しやすくするための対策
いずれもサイト構造の最適化と関係する内容です。
なおSEOは内部対策だけでなく、外部対策も存在します。外部対策は外部サイトから自サイトへの被リンクを獲得するための対策です。自サイトの外部で実施するため、外部対策と表現されます。
サイト構造の最適化が必要な理由とは
SEO施策としてサイト構造の最適化が必要な理由としてあげられるのは、主に以下の3点です。
- クローラーに巡回してもらうため:サイトを評価・インデックス登録してもらうには、クローラーに巡回してもらう必要があります。しかしサイト構造が複雑でわかりにくいと、クローラーが巡回できません。そのためクローラーが巡回しやすいよう、最適なサイト構造にする必要があります
- クローラーがサイトの情報を適切に読み取れるようにするため:サイト情報が読み取りにくい構造では、クローラーが正しく評価できない恐れがあります。情報を読み取りやすくするため、インデックス対策としての最適化も必須です
- サイトを高く評価してもらうため:検索結果で上位に表示させるには、サイトを高く評価してもらう必要があります。そのためサイトの高評価につながるようなサイト構造の実現が大切です
このようにコンテンツの内容だけでなく、サイトの構造も評価に大きく影響します。
SEOにおけるサイト構造最適化の方法
SEOにおけるサイト構造最適化に向けて、必ず実施したい方法は以下のとおりです。
- URLの正規化
- サイトマップを作成
- パンくずリストの設置
- 適切な内部リンク
- 画像へのaltタグ埋め込み
それぞれの方法について詳しく解説します。
URLの正規化
URLの正規化とは、自サイトやコンテンツのURLをひとつに統一することです。
URLは1ページに1つ設定されているとは限りません。「www」や「index.html」、最後尾の「/」の有無などによって、1つのページにアクセスできるURLが複数存在するケースが有り得ます。このように複数のURLがある状態では、ページに対する評価が分散し、評価が下がってしまう恐れがあるのです。
クローラーからの正しい評価を得るためには、URLを1つに統一する必要があります。
URL正規化の主な方法として、以下の2つがあげられます。
- canonicalタグの設定:headタグ内に設定できるタグで、基準となるURLの明確化が可能です。URLの異なる類似・重複コンテンツがあっても、クローラーが適切に対処しやすくなります
- 正規URLの指定:HTTPヘッダーで正規URLを指定する方法もあります。PDFファイルなど、canonicalタグの記述ができない場合に効果的です
サイトマップを作成
サイトマップの作成も、サイト構造の最適化に役立つ手段です。サイトマップを作ることで、サイト上に存在するページや、各ページのリンクなどをクローラーに伝えられます。
クローラーにサイトマップを読んでもらうには、GoogleサーチコンソールからXMLサイトマップというファイルを送付する必要があります。サイトマップ作成をより効率的・スピーディーに行うなら、自動でサイトマップを作成できるツールを活用するのもおすすめの手段です。
パンくずリストの設置
パンくずリストとは、ユーザーがサイト内のどの階層にいるかをわかりやすく示すリンクを意味します。下の画像内で、緑のラインが引かれている箇所がパンくずリストです。
多くのWebサイトは複数の階層から成ります。今開いているページの階層を示すパンくずリストがあれば、サイト構造を理解しやすくなります。
パンくずリストはユーザーだけでなく、クローラーがサイト構造を把握するうえでも役立つ要素です。サイト構造が正しく伝わるため、クローラーにサイト全体を巡回してもらえる効果が期待できます。
適切な内部リンク
内部リンクとは自サイト内の別ページに向けたリンクです。SEO効果を高めるには、適切な内部リンクの設定も求められます。
同じサイト内の別ページに移動するためにいくつものリンクを踏まなければいけない状態は、サイト内の移動がスムーズとはいえません。サイト構造がわかりにくく、利便性が低いという評価につながってしまいます。
ユーザーやクローラーがサイト内をスムーズに移動できるよう、内部リンクの設定にも注意が必要です。メニュー欄やパンくずリストを設置するだけでなく、関連コンテンツへのリンクやカテゴリー別のページ設定など、適切な内部リンクにつながる施策は多く存在します。
画像へのaltタグ埋め込み
altタグとは画像の説明文を設定するためのタグです。代替テキストとも呼ばれます。
altタグを設定すれば、画像が読み込まれず表示されなかったときに、どのような画像か説明するテキストが表示されます。またaltタグの内容は音声読み上げソフトの読み上げ対象であるため、画像を視覚的に確認できない人でも、どのような画像かの推測・把握が可能です。
SEOの観点でも、altタグの埋め込みは重要です。検索エンジンのクローラーは画像を画像として分析することができません。そのため説明文がない状態では、どのような画像が設定されているか判断できず、適切な評価ができないのです。
画像にaltタグを設定すれば、どのような画像であるかクローラーに説明ができます。コンテンツの内容と関連性のある適切な画像と伝われば、高い評価が期待できます。
SEO効果を高めるサイト構造最適化のポイント
SEO効果を高めるためにおさえたいサイト構造の最適化のポイントとして、以下の2点があげられます。
- わかりやすいサイト作りを意識する
- ペナルティ行為はしない
それぞれの内容について詳しく解説します。
わかりやすいサイト作りを意識する
SEO効果の高いサイト構造にするには、わかりやすいサイト作りを意識することが大切です。
サイト構造最適化の方法として、サイトマップ・パンくずリスト・適切な内部リンクを紹介しました。これらに共通するのが、サイト構造への理解やサイト内の移動をスムーズにするための手段という点です。
たとえ良質なコンテンツを多く扱っていても、構造が複雑で使いにくいサイトでは、ユーザーの利便性が低くなってしまいます。サイトマップやパンくずリストも、サイト構造が複雑すぎて上手く作成できない恐れが大きいです。当然、クローラーもサイト構造を理解しきれないといえます。
サイト構造を示すことも大切ですが、そのためにはサイト構造をわかりやすく最適化する必要があります。シンプルでわかりやすい階層や構造が、結果としてSEO効果の高いサイトにつながるのです。
ペナルティ行為はしない
サイト構造の最適化に限らず、SEO施策を進める際は、ペナルティ対象となる行為を実施しないよう注意が必要です。
Googleのペナルティとは、Googleガイドラインに違反する行為に対して課せられる罰を意味します。ペナルティ対象と判断されてしまうと、検索順位の大幅な下落や、インデックスからの削除といった悪影響が生じます。
悪意を持って違反行為をするのはもちろん厳禁です。しかし意図せずペナルティ対象となる行為を実施してしまう可能性もゼロではありません。サイト構造の最適化と関連する例として、リンクが正しく機能していない壊れたページの放置や、URL正規化の失敗によるコンテンツ重複などがあげられます。
ペナルティ判断を避けるためには、何がペナルティ対象となるかを知る必要があります。SEO施策を実施する際は、事前にGoogleのガイドラインを確認すると安心です。
まとめ
サイト構造が複雑な状態では、たとえコンテンツの質・量ともに高いレベルでも、検索エンジンからの高い評価は得にくくなります。SEO効果を高めるには、サイト構造の最適化も欠かせないポイントです。
サイト最適化のために実施できる方法は多く存在します。できることを最大限こなしてSEO効果を高め、検索結果における上位表示を目指しましょう。
この記事の監修者
永田達成
TATSUNARI NAGATA / 代表取締役
株式会社Soeluの代表取締役。1987年生まれ。福岡県出身。
2010年に大学卒業後、地元福岡のウェブ制作会社に営業として入社。
2019年に個人事業主として独立し、2021年に株式会社Soeluを設立。
現在は福岡を中心に東京・神奈川・大阪・名古屋・札幌など全国から多くのクライアント様とウェブを通して活動中。
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