SEO対策は、自社製品やサービスの集客・収益アップの実現、宣伝費のハイコストパフォーマンス達成など、さまざまなメリットをもたらす手法です。
また、自社のブランディング・知名度向上にも強い力を発揮するため、SEO対策は現在の企業運営において、無視できないものといっていいでしょう。しかし、SEO対策は、具体的にどのように行えばいいのかわからない、何を試しても成果が出ないといった悩みを抱えている人も少なくありません。
今回は、SEO対策に苦戦している人のために、SEO対策に関する以下のポイントを解説しています。
- SEO対策でよくある失敗例
- SEO対策前に知っておくポイント
- 種類別・SEO対策のやり方
失敗例を紹介しつつ、どのようにSEO対策を進めていけばいいのか、わかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
SEO対策でよくある失敗例
SEO対策の基本を知らずに「サイトのアクセス数を増やすにはこうすればいいだろうと」という思い込みだけでサイト運営を行い、その結果、何も成果が出なかったという例は少なくありません。
では、SEO対策の失敗で多いのはどのような例があるか、以下より失敗例とその原因を紹介しましょう。
すぐに結果が出ると思っている
独自にSEO対策らしきことを実践してまったく成果が出なかった場合、すぐに投げ出してしまう人も少なくはないでしょう。しかしそれはSEO対策の本質をわかっていません。
SEO対策は実践して、すぐにネット上およびそれを行った企業にダイレクトに反映されるものではないのです。
仮に反応があったとしても、自社のコンテンツが充実していないとそれっきりで終わってしまうため、時間をかけてコンテンツの充実・SEO対策に対応できる人材確保・育成をしなければいけません。
成果が出るまで早い場合は数ヶ月ですが、長い場合は1年ほどかかります。じっくりと腰を据えてSEO対策を行い、それと並行しつつ運営体制も強化する必要があります。
「量」だけに固執している
SEO対策の失敗例でよくあるのが、コンテンツの量だけにこだわり過ぎたあまり、コンテンツひとつひとつが低品質になってしまうことです。
SEO対策を成功させるためには、自社メディア内のコンテンツを充実させることですが、SEO対策を行う人の中には「コンテンツの充実=量産」と決めつけている人もいます。
コンテンツの量を増やすことは決して間違ってはいません。しかし、質が悪いとせっかくサイトに訪問してくれた顧客を逃してしまいます。
SEOT対策におけるコンテンツの質とは、検索した人が望んでいる情報の提供です。しかし、コンテンツ内に知りたい情報が何も記載されていないと、検索者は失望して二度とそのサイトにアクセスすることはないでしょう。
コンテンツを定期的にアップすることだけに固執しないで、検索者が何を知りたいかという抜本的なことをしっかりと把握することが大事です。そしてその疑問・興味に答えるコンテンツ提供をしなくてはいけません。
ペナルティ行為を把握していない
SEO対策は、Googleを筆頭とした検索エンジンで、自社サイトおよび提供コンテンツが上位に表示させることが目的です。しかし、上位表示を狙った行為が、Googleなどのガイドラインで規定している不正行為に該当してしまうケースもあります。
不正行為に該当する行為は、以下のものが代表例です。
・クローキング:ユーザー・検索エンジンに向けて本サイトとは別のHTMLサイトを用意
・隠しテキスト・フレーム:大量のキーワードを表向きにはわからないように埋め込む
もし不正行為が発覚した場合はペナルティ対象となり、サイト運営停止・社会的信用度の損失といった事態を招きます。
どのような行為が不正行為に該当するのか、知っておくことが大事です。
検索順位の仕組みを知っておこう
SEO対策の実践において大事なことは、Googleを筆頭とした検索エンジンの検索順位が、どのような仕組みになっているかという、抜本的な仕組みを把握しておくことです。
検索エンジンにおける検索表示の順位は、次の3つのステップによって決定されます。
- クロール:世界中に存在するサイトから情報収集
- インデックス:収集した情報を分類および登録
- ランキング:登録された情報がアルゴリズム(順位決定プログラム)によって順番に表示
いくらコンテンツを量産しても、情報収集・登録されなければ、上位検索でヒットすることなく、誰の目にも触れないという事態が起こります。
高い確率でクロール・インデックスの対象になるためには、3つのポイントを押さえたSEO対策のやり方を実践しないといけません。その3つのやり方については、次の段落で詳しく解説しましょう。
SEO対策のやり方①(コンテンツSEO)
SEO対策の代表例であり基本となるのが、コンテンツSEOです。このSEO対策はどのような手順で行うのか、次より説明しましょう。
目的を明確にする
コンテンツSEOで最初にやるべきことは目的の明確化です。検索するユーザーがどのような悩みを抱えているか、それらを解決するためにどんな情報を求めているかを、この段階で明確にしましょう。
この段階で目的の設定を誤った場合、いくら情報密度の高いコンテンツ作成・コンテンツの量産を行っても、まったくユーザーには届かないでしょう。
ユーザーの要望は、「買いたい(Buy)」「知りたい(Know)」「解決したい(Do)」「行きたい(Go)」という、主に4タイプです。これらの要望を満たすコンテンツを生み出すために、この段階ではっきりと目的を設定しましょう。
検索キーワード選定
次に行うのがキーワード選定です。ユーザーが検索してコンテンツに辿り着くには、どのようなキーワードが必要なのか、この段階で決めます。
選定するキーワードは、メインとなるビッグキーワード・それに関連する候補キーワードです。この場合、検索数のヒットを狙うあまりヒットしやすいキーワードを選定してしまいがちですが、そちらだけにこだわってしまうと、コンテンツとかけ離れたキーワード選定となってしまいます。
ユーザーがコンテンツを訪問しても、知りたい情報が掲載されていなかった場合、いい加減なサイトと思われて評判を落とす可能性も高いです。そのような失敗をしないためにも、注目を集めつつコンテンツ内容に沿ったキーワードを選定しましょう。
ペルソナの設定
キーワード選定が完了したら、次にやることはコンテンツのターゲット(ペルソナ)設定です。自社がどんな層をターゲットにしているのか、その層はどんな情報を知りたがっているのか、この段階でペルソナを想定します。
そして、ペルソナの要望を満たすコンテンツ作成をしなくてはいけません。例えば「お金」というビッグキーワードだけだと「小遣いをもらっている10代」「ローンを抱えているアラフォー」など、ユーザーの層はかけ離れています。
自社がローン選びに困っている人のための情報満載のコンテンツを準備しても、アクセスしてくるのが10代の学生ばかりだと意味がありません。ペルソナを想定してペルソナが知りたいコンテンツを用意することが大事です。
コンテンツ作成
選定・設定が完了したら、実際にコンテンツ作成に入ります。コンテンツ作成は、コンテンツの骨組みである構成から作成して、その構成に沿って文章作成という手順です。
一人で構成から文章作成までをこなす場合もありますが、人材に余裕があれば、それぞれ構成・文章ともに担当者を用意するといいでしょう。複数で一つのコンテンツを作成すれば、客観視しやすくなり、量産も可能です。
構成は起承転結で問題が解決するよう流れ、文章は一文を短く簡潔にわかりやすく書きましょう。文章は箇条書きや枠などを併用すると、文字だけがただ並ぶものと違って画面上に変化があり、読みやすくなります。
アップしたコンテンツの検証・改善
コンテンツ完成・掲載をしても、それで終わりではありません。アップしたコンテンツにどれだけのアクセスがありどれだけの反響があり、それによって自社にどのような利益をもたらしたのか、検証することも必要です。
アップしたコンテンツに反響があれば、新たなデータを獲得できます。アクセス数・検索したワード・自社への利益など、新しいデータが次々と出てくるので、それを材料に新たな選定と設定をして、新しいコンテンツを生み出す、あるいは過去コンテンツの改善を行いましょう。
過去コンテンツもそのまま放置するのではなく、新たに磨き直すことによって再びアクセス数を獲得して、それによりまた新たなデータも生まれます。
コンテンツの量産
SEO対策で重要なのは、継続することです。SEO対策を始めても最初はわかりやすい成果は生まれません。数ヶ月〜1年という期間を費やして、長い目で見ていく必要があります。成果がないからといって、悲観せずにコンテンツを量産することを心がけましょう。
コンテンツは量産体制になると、質より量に移行してしまう傾向がありますが、コンテンツ一つひとつに対して、先述した手順を忘れずに丁寧に作成することが大事です。量産するとどうしても内容が重複する可能性が高くなりますが、どれも内容がかぶらないように気をつけましょう。
SEO対策のやり方②(内部対策)
SEO内部対策とは、コンテンツを構成するHTML・制御ファイルなどを操作して行う対策です。この対策によりクロール・インデックス最適化が実現します。
専門性の高い作業となるため、知識とスキルを兼ね備えた人材が必要です。自社に人材がいない場合は外部からの人材に依頼しましょう。
SEO対策のやり方③(外部対策)
SEOにおける外部対策とは、自社サイト・コンテンツ以外の外部サービスによるSEO対策です。コンテンツ内に各SNS(Twitter・facebook・Instagram・はてなブックマーク等)の表示用アイコンを設置すれば、そのアイコン経由で、各SNSへのリンクが完了します。
SNSなどへの外部リンクが多ければ多いほど、そのコンテンツは拡散されてより多くの人に知ってもらうことが可能です。SNSの拡散力は即効性・浸透性ともに、想像以上であるため、うまくいけばコンテンツをそれまで以上の規模で、大勢の人に見てもらえるでしょう。
SNSなどによる外部対策を成功させるには、良質なコンテンツを定期的にアップし続けることです。質・量のどちらかに偏らないコンテンツ作成が大事といえます。
まとめ
自社のサイト運営は、ただサイトを開設しただけで大勢のユーザーが閲覧してくれるわけではありません。多くのアクセス数を獲得して、サイト閲覧をしたユーザーがそのサイトで紹介している製品・サービスに興味を持ってくれる・実際に購入してくれることが、サイト運営では大事なことです。
しかし、実際はそのような流れまでいかないと嘆いている人もいますが、それには理由があります。それは自社サイトのSEO対策を実施していないからです。
また、中途半端にSEO対策に関する知識がある場合も、失敗を招くパターンもあります。いくらがんばっても結果が出ない・一時的にアクセス数を稼いでもそれが間違ったやり方だったという失敗をしてしまう例も少なくありません。
SEO対策を実施して成功を達成するには、正しい手順で根気よくやり続けることです。
今回は、SEO対策のやり方の大事なポイントについて、解説してきました。今後、SEO対策を実践しようと検討している人は、間違ったやり方ではなく、今回の記事で解説したような正しい手順で行いましょう。
この記事の監修者
永田達成
TATSUNARI NAGATA / 代表取締役
株式会社Soeluの代表取締役。1987年生まれ。福岡県出身。
2010年に大学卒業後、地元福岡のウェブ制作会社に営業として入社。
2019年に個人事業主として独立し、2021年に株式会社Soeluを設立。
現在は福岡を中心に東京・神奈川・大阪・名古屋・札幌など全国から多くのクライアント様とウェブを通して活動中。
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