近年、Webマーケティングを考える上でSEO対策は欠かせません。
情報が雑多化する昨今において、人々はGoogleやYahoo!などの検索エンジンをもとに必要な情報を日々収集しています。その中で、自社のターゲットとなるユーザーが検索したキーワードに対し、上位表示されれば集客数だけでなく購入や申し込みといったコンバージョン獲得にもつなげる効果が期待できます。
とはいえ、SEO対策は多くの企業がマーケティングとして取り入れているため、やみくもに実施しても効果にはつながりません。まずは自社の現状分析を行うとともに、目的やターゲットを明確化し、戦略的にアプローチしていくことが重要です。そこで今回は、SEO対策において最初にすべきことについて、戦略に応じた費用相場などとあわせポイントを中心に紹介していきます。
SEO対策の基本と重要性
まず、SEO対策の基本的な概要と重要性について紹介していきます。
SEO対策によって様々なキーワードで上位表示することができれば、集客増加はもとよりコンバージョン獲得にもつなげることが可能です。とはいえ、そのためにはSEO対策について理解しておくことが重要です。
SEO対策とは?
そもそもSEO対策(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンにおいて自社のホームページを最適化する意味を持ちます。
なお、Yahoo!の検索エンジンはGoogleの仕組みを活用しているため、基本的に表示される順位はほぼ同じです。ユーザーが検索によって情報収集する行為は、ユーザーの購買行動を表すAISASにも含まれるように、Webマーケティングにおいて欠かせません。いくら魅力的なビジュアルやお得な情報、興味を惹くようなコンテンツが記載されていたとしても、ユーザーの目にふれなければ効果にはつながりません。
そのため、自社のホームページに集客させる目的で多くの企業がSEO対策に取り組んでいます。とはいえ、基本的にSEO対策は検索エンジンがユーザビリティを考慮し設定している仕組みのため、どのような要素で順位を決定しているかは明確化されているわけではありません。
さらに、検索エンジンは定期的にアップデートも行っているため、常に最新の傾向を把握しながらユーザビリティとあわせ検索エンジンの特性もふまえホームページを最適化していくことが求められます。このようなSEO対策の手法は、主に以下の3つに分類されます。
内部施策
内部施策とは、検索エンジンが自社のホームページを判別しやすいようにカスタマイズする施策のことを指します。
そもそも検索エンジンは、ホームページの内容をソースコードから読み取っています。ソースコードとは、ホームページを適切に表示させる構成・骨組みのことを意味します。
そのため、いくら魅力的なコンテンツであってもソースコードが適切に構成されていなければ検索エンジンに評価されず、SEO対策の効果を高めることもできません。
内部施策の具体的な内容については、タイトルタグや見出しタグの最適化、サイト内リンクの設定、表示スピードの改善などが挙げられます。また、近年ではユーザビリティを考慮したスマートフォンでの表示の最適化なども重要視されています。
外部施策
これに対し外部施策とは、外部サイトからのリンクを増やす施策のことを指します。
一般的に外部サイトからのリンクが多ければ、そのページは価値が高いとして評価される傾向にあります。とはいえ、ただ単に数が多くても意味がありません。外部リンクが重要視されていた頃にはとにかく数を集める施策が増え、現在では検索エンジン側もリンクの質を重要視するように変わってきています。
特に、自社サイトとの関連性が無いサイトからのリンクが増えると、意図的な外部施策としてペナルティ対象となるリスクも生じます。そのため、外部施策に関しては関連性を重視し、良質なリンクを意識することが重要です。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、近年重要視されつつあるSEO対策の手法です。
ターゲットとなるユーザーを意識し、集客やコンバージョン獲得につなげる目的でコンテンツを作成する施策のことを指します。ユーザーが知りたいコンテンツを提供することができれば、自然と検索エンジンにおいても上位表示されるようになります。
そのためには、ユーザーの検索意図やニーズを深掘りし、興味を惹くコンテンツを作成していくことが求められます。単にブログやコラムによって記事を量産するのではなく、読み進めたくなるような情報を提供することが重要です。
SEO対策の重要性
SEO対策は、検索エンジンにおいて上位表示させることができるため、Webマーケティングの効果を高めることが期待できます。
ただ、同じ上位化のためにはリスティング広告のような手法も存在します。とはいえ、リスティング広告は即効性という面では効果が期待できても、広告であるため掲載するにはコストがかかります。
これに対してSEO対策では、自社内の工数・労力だけで長期間にわたって安定して表示させることができるため、コストを抑え費用対効果を高めることが可能です。
また、コンテンツSEOなどを強化すれば、特定のキーワードだけでなく様々な関連するキーワードで上位表示され、集客数を飛躍的に高める効果も期待できます。
キーワードによってはコンバージョン獲得を促す効果もあるため、売上増加や利益拡大につながる可能性もあり、多くの企業がSEO対策に取り組んでいます。
SEO対策で最初にするべきこととは?
SEO対策の手法は、先ほどふれたように内部施策や外部施策、コンテンツSEOなどに分類されます。
とはいえ、やみくもに着手しても効果にはつながりません。これからSEO対策を検討している場合には、以下の要素を最初に固めておくことが重要です。
①現状分析
SEO対策の効果を高めるためには、最初に自社サイトにおける現状分析を行うことが重要です。
自社のホームページにおいて、どのページが集客につながっているのか、どこで離脱しているのか、コンバージョン獲得に寄与するページはどこなのかなどを把握しておくことで、その後の戦略にもつながりやすくなります。
また、キーワードによっては既に上位表示されているものもあるかもしれません。このような現状分析を行うためには、GoogleのAnalyticsやサーチコンソールなどの無料ツールを活用することで確認できます。
②目的やターゲットの明確化
現状分析ができたら、続いてSEO対策の目的やターゲットを明確化していきます。
SEO対策は、目的によって施策が変わってきます。ブランディングを目的にした場合には認知拡大につながるキーワードを選定する必要があり、集客やコンバージョン獲得を目的にした場合には、より具体的なキーワードを選定する必要が出てきます。
さらに、ターゲットユーザーによっても狙うべきキーワードは変わります。20代女性に向けたキーワードと50代男性では検索意図やニーズも異なります。またエリアが絡むサービスであれば地域名などをキーワードに組み込む必要も出てきます。
このように、具体的な戦略につなげる上でも最初に目的やターゲットを明確化しておくことは重要です。
③狙うべきキーワードの選定
目的やターゲットが固まれば、そのユーザーの検索意図やニーズをふまえて狙うべきキーワードを選定していきます。キーワードの選定は、その後のSEO対策においても重要になります。仮に特定のキーワードで上位表示されたとしても、目的とズレていれば効果にはつながりません。
例えば、都内の店舗を構えたサービスを展開し、コンバージョン獲得を目的にした場合に、全国に向けた認知拡大のキーワードを選定しても意味がありません。このように、SEO対策の効果を高めるためには、目的やターゲットを意識しながらキーワード選定に落とし込んでいくことが重要です。
④競合分析と戦略の策定
また、SEO対策の効果を高める上では競合他社の分析を行うことも重要です。
現在、多くの企業が様々なキーワードでSEO対策を講じています。そのため、キーワードによっては競合が多く対策が難しいケースもあります。
難易度が高いキーワードにおいては、費用や工数を掛けたとしても上位化につながらない場合も少なくありません。そもそもSEO対策は即効性があるわけではなく、上位化につなげるためには中長期的な視点で検討していく必要があります。そのため、キーワード選定の段階で競合他社の状況も把握し、確度の高い戦略立案につなげることも重要です。
SEO対策の施策別にかかる費用相場とは?
最後に、SEO対策の施策別にかかる費用相場について紹介していきます。
専門的な知識やノウハウが求められるSEO対策では、外部の企業に委託するケースも少なくありません。その際、やみくもに委託するのではなく目的や戦略に応じて委託先を選定することが重要です。その上で、以下の費用相場を参考にしておくと効果的です。
①技術的な施策の場合
技術的な施策とは、主に内部施策の要素をピンポイントで委託した場合の費用となります。
例えば、タイトルタグや見出しタグの修正、表示スピードの改善、スマートフォンでの最適化に向けたレスポンシブ対応などを要素別に委託した場合が対象となります。
この場合の費用相場は、一般的に1万円から5万円程度が相場となります。自社内である程度の修正対応ができる一方で、技術的な対応を依頼したい場合に効果的です。
②内部施策の場合
これに対し、内部施策を全て委託したい場合には1ページあたり5万円から10万円程度が相場となります。先ほどの技術的な施策をページ単位で全て対応してもらえるため、効率的に上位化につなげることが可能です。
SEO対策の対応要素はページによって異なり、自社内では判別できないケースも少なくありません。そのため、自社で把握している技術的な施策以外に最適化すべき項目も対応してもらうことで、より精度の高いSEO対策につなげることも期待できます。
③外部施策の場合
外部施策は、基本的にコンテンツを強化することで自然とリンクが集まるため、自社内で対応することはありません。
ただ、専門会社に委託することで対象サイトの評価を高める効果的なリンクを集めることも可能です。専門会社では、対象サイトやキーワードに関連するサイトに相互リンクを設置することで外部施策を強化してもらえます。
また、リンク用に新たにコンテンツページを作成するケースもあります。このような外部施策は、一般的に1万円から10万円程度が相場となります。
④コンテンツSEOの場合
コンテンツSEOを委託した場合は、専門会社が一からコンテンツを作成してもらうことが可能です。
ただ記事を量産するのではなく、目的やキーワードをふまえて専門のライターが作成していくため、委託費用は高くなる傾向にあります。この費用は記事作成の本数やテーマ、クオリティなどによっても異なりますが、一般的に5万円から30万円程度が相場となります。
一記事の作成ではなく、中長期的に100記事以上作成するケースも多く、その場合には初期費用などが発生する場合もあります。
⑤SEOコンサルティングの場合
最後に、SEOコンサルティングは最初の分析から戦略立案、実行までをトータルでサポートする内容となります。
目的や競合ふまえた現状に応じて対応してもらえる範囲は異なりますが、一般的に5万円から30万円程度が費用相場となります。
自社内に対応可能な担当がいない場合や、より精度の高いSEO対策を求めている場合に効果的な手法で、全体的に対応してもらうことで効率的に上位化へとつなげてもらうことが可能です。
まとめ
SEO対策は、近年のWebマーケティングにおいて欠かせない手法となり、多くの企業が様々なキーワードで取り組んでいます。
とはいえ、その手法は検索エンジン側の定期的なアップデートもあり、専門的な知識やノウハウなども求められます。そのため、やみくもに実施しても効果にはつながらず、無駄な費用や工数だけで終わってしまう可能性もあります。
今回紹介した内容も参考に、最初にするべきことを押さえつつ適切に最適化していきましょう。