問い合わせや資料請求につながらない場合、ホームぺージを改善することで劇的な効果が得られる可能性があります。一方で間違った方法を繰り返しても意味はなく、改悪になってしまうケースもあるので注意が必要です。
本記事では、成果を生むホームページにするために必要な視点と、具体的な方法をまとめました。改善点を見つけるためのチェックポイントや基本的な流れ、よくある失敗例とあわせて紹介します。
ホームページを改善すべき3つの理由
ホームページの改善によって期待できる効果をまとめました。なぜホームページの改善が必要なのか、わかりやすく解説します。
検索順位が向上する
Googleではユーザーにとって有益なホームぺージほど、検索結果で上位に表示される仕組みになっています。ホームページ改善でSEO(検索エンジン最適化)を意識した施策を実施すれば、集客力をアップできるわけです。
検索順位が向上することで、中長期にわたる集客が期待できます。企業の知名度や信頼性の獲得にもつながり、ブランドの価値を高められることが魅力です。
コンバージョンを獲得できる
CV(コンバージョン)とは、ホームページで獲得できる最終的な成果のことです。ホームページを改善することが、問い合わせ数や商品の購入などの成果につながります。
訪問したユーザーが想定したアクションを起こす割合(CVR)を、増やすことが重要に。成果を生むホームページにすることが、ホームページを改善する最終的な目的です。
リピーターが増える
ホームページによって使いやすく有益なホームページになれば、ユーザーからの好感度があがります。ホームページのファンが増え、再度訪問するリピーターが増えるわけです。
企業へのロイヤリティ(愛着・信頼)や、ブランドイメージの向上にもつながります。既存ユーザーからよい口コミが広まれば、新規ユーザーを獲得できるでしょう。
成果を生むホームページに改善するために必要な4つの視点
成果を生むホームページにするためには、新しい視点が必要です。ホームページ改善の基本的な考え方について、わかりやすく紹介します。
コンテンツの質を客観的な視点で評価する
ホームページを改善しても、コンテンツの質が悪いとユーザーの興味は引けません。客観的な視点で、ホームページを評価する必要があります。
- 十分な知識をもって書かれているか
- 信頼できる情報かどうか
- 誤った情報や誤字脱字がないか
- 公平な視点で書かれているか
- ユーザーが求める情報を網羅しているか
- 読みやすくわかりやすい文章か
- 独自性(オリジナリティ)があるか
ユーザー視点から有益であると判断できれば、コンテンツの質が高いといえます。既存のコンテンツを見直して質を高めることが、ホームぺージ改善のポイントです。
ユーザーの使いやすさを追求する
使いにくいホームぺージは、ユーザーに閲覧してもらえません。ストレスによる離脱をまねくので、ユーザー視点での使いやすさ(ユーザビリティ)を追求することが重要です。
- ページがすぐに表示されるか
- スムーズに必要な情報にたどり着けるか
- スマートフォンでも閲覧しやすいか
- ホームぺージ内検索の精度は高いか
- カテゴリや階層は適切に設定されているか
- 操作で戸惑うことはないか
- デザインがシンプルで視覚的にわかりやすいか
使いやすいホームぺージに改善すれば、検索順位の向上やコンバージョン率(CVR)の改善にもつながります。ユーザビリティを意識して、ユーザー満足度を高めることがポイントです。
競合他社と比較して改善点を見つけ出す
競合他社と比較すれば、業界全体の動向やトレンドがわかります。以下のような要素を分析して、競合他社がどのように集客しているのか分析しましょう。
- ターゲット層
- 集客チャネル
- コンテンツ戦略
- アクセス数
- 検索流入キーワード
- コンバージョン率
自社ホームぺージの強みと弱みを明らかにすれば、競合他社と差別化すべきポイントが見えてくるはずです。成功事例は取り入れつつ他にないコンテンツを提供することで、競争力を高められます。
目標達成までのストーリーを意識する
ホームぺージを訪問したユーザーが、問い合わせや購入にいたるまでのストーリーを意識しましょう。訪問したユーザーにどのように行動してもらいたいのか明確にして、ホームぺージを改善します。
情報を提供する順番や導線でも、ストーリーを意識しましょう。ユーザーの感情や行動を予測して、自然な形で誘導できるホームぺージにすることが重要です。
ホームぺージを改善するための基本的な流れ
ホームぺージを改善するための基本的な流れを紹介します。それぞれの工程を、わかりやすく紹介しましょう。
分析によって課題を明確にする
まず「Google Analytics(アナリティクス)」や「Google Search Console(サーチコンソール)」などの分析ツールを使って、ホームぺージを分析します。ホームぺージ改善で重要な指標は以下の通りです。
アクセス数 | ホームぺージにアクセスした回数(PV数・セッション数・ユーザー数) |
表示速度 | ページを読み込む速度 |
流入経路 | 検索やリンクなどホームぺージにアクセスしたときの経路 |
流入キーワード | ホームぺージにたどり着くときに使ったキーワード |
直帰率 | 最初のページを閲覧したあと他のページに移動せずに離れた割合 |
滞在時間 | ホームぺージに滞在していた時間 |
CVR | 訪問者のうち最終的な成果(CV)にいたった割合 |
使用デバイス | パソコンやスマートフォンなどホームぺージ訪問時に使用したデバイス |
タイミング | ホームぺージに訪れた曜日や時間 |
上記の指標によって、ホームぺージの問題点を洗い出します。たとえばコンバージョン率が低い場合は、どこで離脱しているのか確認しましょう。ユーザーの行動とその意図を分析することが重要です。
改善策を立案して実行する
問題点に対して、具体的な改善策を立案します。たとえば特定の流入経路からのアクセス数が少ない場合は、個別に対策を。自然流入が少ないなら、SEO対策を見直す必要があります。
すべての施策を一度に実行するのは難しいので、優先順位をつけましょう。影響力があるものから取り組めば、限られたリソースの中で効率よく施策を実行できます。
効果を測定する
データを分析して、施策を実行する前と比較します。「PV数が◯%増えた」「直帰率が◯%減った」など、定量的に数値を測定しましょう。
施策の方向性が間違っていた場合、数値に変化がなかったり逆に下がったりすることも。効果がでなかったときは、原因を特定して施策を見直す必要があります。
PDCAサイクルを回す
測定したデータをもとに、新しく施策を実行します。PDCAサイクルを回し、継続的にホームぺージを改善することが重要です。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
ホームぺージ改善によって数値がよくなっても、一時的なものでしかない可能性があります。ホームぺージの質とパフォーマンスを高め続けることで、確実な成果につながるでしょう。
ホームぺージの改善点を見つけるためのチェックリスト
ホームぺージを改善すべき点はそれぞれ異なります。事例別に改善点の見つけ方を。まとめました。
アクセス数が少ない
アクセス数が少ない場合、以下のような原因が考えられます。
- 流入経路が少ない
- SEO対策が不十分である
- ペナルティの対象になっている
- 更新の頻度が低い
- コンテンツが少ない
良質なコンテンツを作成しても、閲覧してもらえないと意味がありません。流入経路ごとのアクセス数や流入キーワードごとのアクセス数を確認して、改善策を実施しましょう。
直帰率が高い
直帰率が高いときに考えられる原因は、以下の通りです。
- ページの読み込み速度が遅い
- コンテンツの内容が検索意図にあっていない
- コンテンツの質が低い
- タイトルとコンテンツの内容が異なる
- 流入元とホームぺージのファーストビューに乖離がある
- スマートフォンに対応していない
- 内部リンクが適切に設定されていない
- 導線がわかりにくい
- デザインやレイアウトに問題がある
情報が不足していたり使いにくかったりする場合、ユーザーの離脱をまねきます。一つひとつチェックしたうえで、ユーザーにとってより有益なホームぺージに改善してください。
コンバージョンにつながらない
アクセス数はあるのにコンバージョンが増えない場合は、以下のようなポイントをチェックしましょう。
- ターゲット層がズレている
- 商品・サービスの魅力が訴求できていない
- CTA(行動下記のためのリンク・ボタン)がわかりにくい
- CVRへの導線が正しく設定されていない
- 入力フォームが使いにくい
ホームぺージの目的とニーズがあっていないユーザーが訪問しても、成果にはつながりません。ターゲットを明確にして適切に誘導することが、ホームぺージ改善のポイントです。
ホームぺージの改善でよくある失敗例
ホームぺージ改善をしても、効果がでなかったり逆効果になったりすることも。よくある失敗例について、確認しておきましょう。
ターゲットが定まっていない
ターゲットが決まっていないと、ホームぺージ改善の方向性が定まりません。アピールすべきユーザーや伝えるメッセージが曖昧なまま、誰にも響かないホームぺージになってしまいます。
ホームぺージ改善をするなら、まずはターゲット像(ペルソナ)を明確にしておきましょう。性別や年齢、家族構成、ライフスタイルなどを、なるべく細かく設定します。
ターゲット像が決まれば、ユーザーの背景やニーズが想像しやすくなるはずです。デザインやコンテンツを特定の層に向けたものに改善することで、成果につながりやすくなります。
競合他社を意識しすぎている
競合他社を意識しすぎると、似たようなホームぺージになってしまいます。独自の強みや魅力をアピールできず、埋もれてしまうので注意が必要です。
SEOでも独自性(オリジナリティ)が評価されるため、他と似たようなホームぺージは検索順位が下がります。競合他社を参考にするのは問題ありませんが、真似するだけではいけません。
良いところは取り入れながら、競合他社と明確な違いを打ち出す戦略が必要です。自社独自の魅力をアピールすることで、差別化やブランディングにつながります。
デザインにこだわりすぎている
デザインの変更はホームぺージ改善で有効ですが、こだわりすぎると逆効果になる可能性も。視認性が悪くなったり操作が複雑になったりすると、ユーザーにとって使いにくいホームぺージになります。
オシャレなデザインを追求するより、シンプルかつ使いやすいホームぺージに改善することが重要です。ただし、シンプルすぎるデザインはユーザーの印象に残りにくいので、ある程度の個性は意識してください。
企業目線だけで改善してしまう
ユーザー目線ではなく、企業目線でホームぺージを改善した場合の失敗例です。問い合わせや購入など成果を重視しすぎるとユーザーにも伝わり、不信感をもたれてしまいます。
ニーズや課題に対応したコンテンツを提供するためには、ユーザー目線が必要不可欠です。ユーザーにとって価値のあるホームぺージに改善して信頼度と満足度を高めることが、成果につなげるための近道となります。
効果測定を実施していない
ホームぺージを改善しても、効果測定をしないと施策の成果はわかりません。効果がない施策や逆効果の施策を、知らずに続けてしまう可能性があります。
新しい問題点を明らかにして次のアクションを実施しないと、いずれアクセス数やコンバージョン率は低下することに。定期的に効果測定をしながら、ホームぺージ改善を継続していくことが大前提です。
ホームぺージを改善するための方法10選
ホームぺージを改善するための具体的な方法をまとめました。自社にとって必要な施策を選択して、ぜひ試してください。
コンテンツを改善する
コンテンツの質が悪いままだと、ホームぺージを改善したところで成果にはつながりません。Googleでは、コンテンツの質をE-E-A-Tで評価しています。
Experience(経験) | 実体験や経験を取り入れているか |
Expertise(専門性) | 専門的な知識・スキルをもとに書かれているか |
Authoritativeness(権威性) | 第三者や業界から認められているか |
Trustworthiness(信頼性) | 正確性や安全性が示されているか |
上記をもとにコンテンツを改善します。アクセス数やコンバージョン率が低い記事は、リライトしましょう。著者情報を明記したり新しい情報を追加したりして、コンテンツの質を高めてください。
トンマナを統一する
トンマナとはトーン(色調)&マナー(様式)の意味で、デザインの一貫性と統一性のこと。ホームぺージのデザインでトンマナを意識すれば、企業の世界観を視覚的に表現できます。
使用する色やフォントなどを統一することで印象に残りやすくなるため、ブランディングにも効果的です。30代女性なら柔らかく、40代男性なら落ち着いた雰囲気でなど、ターゲット層にあわせてトンマナを設定しましょう。
入力フォームを最適化する
入力フォームが使いにくいと、問い合わせや購入のときに離脱をまねきます。以下のようなポイントに注意して入力フォームの最適化(EFO)することが、ホームぺージ改善では重要です。
- 入力が必要な項目の数は最小限か
- 入力すべき項目が一目で把握できるか
- エラー箇所が明確に表示されるか
- 誤入力やエラーを減らす工夫がされているか
入力フォームの自動保存機能や、郵便番号による住所自動補完機能があれば、ユーザーの負担をさらに軽減できます。入力の負担をできるだけ減らすことで、ユーザーの離脱率は下がるはずです。
ファーストビューをわかりやすくする
ファーストビューとは、ホームぺージを開いたとき表示される画面上部のエリアのことです。「欲しい情報がない」「読みにくそう」と思われると、スクロールされないまま離脱されてしまいます。
コンテンツの内容が理解できる画像や、魅力的なキャッチコピーでユーザーの興味を引きましょう。ファーストビューを見たときに、続きを読んでみたいと思わせる工夫が必要です
スマホでの使いやすさを意識する
情報検索において、パソコンではなくスマートフォンを使用する人は増加しています。ユーザーが使いやすいように、モバイルフレンドリーを意識しましょう。
- 画像や文字をズームしなくても閲覧しやすい
- 横スクロールをする必要がない
- スマートフォンでもスムーズに表示される
- リンクやボタンのサイズ・間隔が適切でタップしやすい
Google Search Consoleの「モバイルユーザビリティレポート」を使用すれば、改善すべき点がわかります。デバイスにあわせてデザインを最適化する「レスポンシブデザイン」を取り入れるのも、おすすめです。
ページの表示速度を早める
ページの表示速度を改善すれば、直帰率が減り滞在時間も長くなります。速度が遅い場合は、以下の方法を試しましょう。
- ブラウザのキャッシュを活用する
- 画像や動画のファイルサイズを最適化する
- ページをスクロール読み込みさせる
- サーバーのスペックや応答時間を見直す
- ソースコードを圧縮して簡潔にする
- CMS(コンテンツ管理システム)の不要なプラグインを削除する
Google Analyticsを活用すれば、ページの表示速度を簡単に計測できます。ホームぺージの改善前と改善後を比較して、早くなっているか確認しましょう。
ホームぺージの導線を適切に設計する
ホームぺージの導線とは、ホームぺージ運営者が設計した誘導ルートのことです。ユーザーの移動経路(動線)をチェック。目的に到達していないユーザーが多い場合は、導線設計に問題があると考えられます。
- 思考や行動パターンを想定する
- 適切な階層構造を設定する
- ナビゲーション(グローバルナビやパンくずリストなど)を設置する
- 内部検索機能を導入する
- 関連ページを内部リンクで紐づける
- CTAボタンを適切な位置に設置する
訪問したユーザーを、問い合わせや購入などゴール(目的)へスムーズにたどり着けるように誘導しましょう。そのうえでユーザーの移動経路の分析を続け、改善を繰り返すことが重要です。
CTAを見直す
CTA(行動喚起)とは、ユーザーをアクションに導くボタンやリンクのことです。適切な位置に設置されていないと、コンバージョンにはつながりません。
- 見つけやすい位置にCTAを設置する
- クリックしたくなるようなコピーを添える
- 一目でわかるボタンにする
「ページの最上部」「コンテンツの最後」「行動喚起を促せそうな箇所」に、設置するのがおすすめです。ただし、多すぎるとユーザーは迷ってしまうので、数は1ページにつき1~3つまで。一箇所に集約しないように設置しましょう。
ABテストを実施する
ABテストとは、ホームぺージやバーナー、公告を最適化するテストのことです。複数のパターンを作成してユーザーに評価してもらうことで、より高い成果を得られるパターンがわかります。
テキスト表現や訴求方法、CTAボタン、キャッチコピーなどを、ユーザーの視点から検証。定量的なデータから最適なパターンがわかるので、より効果的にホームぺージを改善できます。
アンケート調査でユーザーの意見を取り入れる
ユーザーにアンケートをとって、具体的なニーズや要望を把握しましょう。収集した結果を参考にすれば、ユーザーの視点を取り入れたホームぺージ改善が可能です。
アンケートや対象となるユーザーを明確にして、質問内容を適切に設計します。ユーザビリティやコンテンツの質についてアンケートをとり、ホームぺージ改善に活かしてください。
まとめ
ホームぺージを改善すれば、検索順位の向上やコンバージョンの獲得につながります。しかし、方法を間違えると逆効果になるので、4つの視点や基本的な流れをチェックしましょう。
改善すべきポイントは、ホームぺージによって異なります。チェックリストを参考に、自社ホームぺージの課題を明らかにしましょう。具体的な改善方法も紹介したので、成果につなげるために役立ててください。