自社の集客やマーケティング施策において、ホームページの運営は欠かせません。
とはいえ、ホームページ制作にかかる費用は多岐に渡るため、事前に社内で目的に応じた要件を固めておく必要があります。
特に、デザインやSEOなど、ホームページ制作には外部業者に依頼する必要がある要素も多く存在します。
一口にホームページ制作費用といっても、依頼する項目によって費用は変わるため、より効率的かつコストを抑えた運用につなげるためには、ホームページ制作にかかる費用の全体像を把握しておくことが重要です。
そこで今回は、ホームページ制作にかかる費用について、主な内訳や算出方法、注意点などについて紹介していきます。
ホームページ制作の重要性
スマートフォンの普及などもあり、今や業種問わず多くの企業がホームページを自社のマーケティングに活用しています。
ホームページは企業の顔として集客に役立つだけでなく、商品・サービスの訴求や顧客とのコミュニケーションツールとしても効果が期待できます。
Google検索などをもとに日々ユーザーが訪れるようになれば、ホームページが新規ユーザーの獲得や購入や申し込みといったコンバージョンにも効果的につなげることが可能になります。
さらに、SNSの浸透もありホームページとSNSを連携させることでマーケティング効果を高めることもできます。
その上でも、目的をふまえ自社のターゲットに応じたホームページ制作を行うことは重要視されています。
ホームページ制作にかかる費用
ホームページを制作するにあたっては、自社で内製するよりも専門的な制作会社に依頼するケースが多い傾向にあります。
とはいえ、この制作にかかる費用は求める内容によって異なります。
制作にかかる費用の全体像を理解する上でも、ホームページ制作にはどういった項目があるのか把握しておくと効果的です。
ディレクション費用
ディレクション費用とは、どのようなホームページを制作するか企画・構成するための費用を指します。
ホームページをまったくゼロから制作することはできません。
どのようなユーザーに対してどういったコンテンツを提供していくか、その上でどのような構成にしていくのかを企画立てしていく必要があります。
各コンテンツやデザインなどは構築後に追加修正を行うことも可能ですが、全体的な骨組みがブレてしまうと、その後の制作にも影響してきます。
そのため、目的やターゲットをふまえ大枠の方向性を固めていくディレクションは、ホームページ制作において重要な要素となります。
プロジェクト管理費用
ホームページ制作は、さまざまな担当が携わるため、基本的に依頼先の制作会社も交えプロジェクトとして行うケースが多くなります。
その中で、タスクや進行管理などを適切に行わなければ、公開すべきスケジュールが伸びてしまったり、当初とは違ったホームページになってしまうことも起こりえます。
このようなリスクを回避し、効率よく制作につなげるためにも、プロジェクトの管理を徹底しておく必要があります。
なお、ホームページ制作におけるプロジェクト管理の多くは制作会社が行い、その費用は単体ではなくホームページ制作にかかる費用全体の10%〜15%程度が多くなります。
ホームページ設計費用
ホームページ設計にかかる費用とは、ホームページ全体の構成を設計するための費用を指します。
ディレクション費用に含まれる場合もありますが、各ページの位置づけをはじめ、リンクや導線設定をふまえた全体構成を設計するための費用となります。
基本的にホームページには、トップページや下層コンテンツのページをふまえ相互につながっており、それらを網羅したサイトマップが存在します。
また、自然な流れでユーザーを遷移させ、最終的な目的達成につなげるためには、ユーザビリティなどをふまえ適切な構成・設計を行うことが求められます。
システム構築費用
システム構築費用は、ホームページに組み込むシステムを構築する費用のことを指します。
ホームページに組み込むシステムも、目的に応じて多岐に渡ります。
通販系のサイトであればショッピングカート機能が必要になり、飲食系の場合には来店予約のフォームが必要になります。
また、ブログやメールなど、制作後に社内で効率よく運用していくためには、CMS機能をあらかじめ構築しておく必要もあります。システム構築にかかる費用は、組み込むシステムによっても変わってきます。
特に外部のシステムやサービスは、一度構築すると簡単に変更できるものではないため、目的や用途に応じて慎重に検討しておくことが重要です。
デザイン費用
ユーザーに興味を持ってもらうためには、ホームページのデザインも重要な要素です。
いくら社内で完璧なデザインと思っても、ユーザーにとって興味を示してもらえなければ目的達成にはつながりません。
デザイン費用は、このデザインを制作する費用となります。
また、デザイン制作は一度で完結するケースは少なく、制作会社からのラフデザインに対して修正を重ねながら構築することが多くなります。
この際、制作会社によっては提案回数や修正に対して別途費用がかかるケースもあるため注意が必要になります。また、デザイン制作にあたっては写真や動画などの素材を一から手配すること少なくありません。
その場合には、撮影や編集、モデル利用料などが別途求められることもあります。
コーディング費用
コーディングとは、ホームページとして構築するためにHTMLソースを記述したり、JavaScriptといったプログラミングを活用する工程のことを指します。
この費用がコーディング費用となります。
ホームページに動きを持たせたり、動画を視聴できるようにするためには、専門的なコーディングを行う必要があります。
特に近年では、スマートフォンでの表示に対応したレスポンシブ対応を取るホームページも増加傾向にあり、このような対応を行ううえでも適切なコーディングが求められ、予算と合わせて検討することが重要です。
SEO費用
ホームページは、ただ単に制作すればいいという訳では無く、ターゲットとなるユーザーに多く訪れてもらわなければ意味がありません。
その上で、SEOは欠かせない手法となります。
Googleなどの検索エンジンに評価されるホームページであれば、ユーザーの検索キーワードに応じて上位表示されるようになり、集客増加につながる可能性が高まります。
とはいえ、SEOには専門的な知識が求められるため、制作会社に依頼しながら適切に構築していく必要があり、SEO対策の費用は主に初期費用と月額費用、成果に応じて費用が発生する成果報酬型に分けられます。
ホームページ制作時においてどこまで求めるのか、事前に社内で確認した上で実施を検討していくと効果的です。
サーバー設定・管理費用
ホームページを公開するためには、サイトの制作以外にもドメインの取得やサーバーの設定なども必要になります。
この設定・管理にかかる費用も存在します。公開までにかかる費用としては初期設定の費用となりますが、一般的にサーバーの運用は1年契約となるケースが多く、初期費用とは別に毎月のランニングコストがかかってきます。
何かトラブルがあった場合の保守管理として、サーバー設定・管理費用も項目として押さえておく必要があります。
ホームページ制作にかかる費用の算出方法
ホームページ制作にかかる費用は、先ほどふれたように項目が多岐に渡ります。
これらを全て制作会社に依頼する場合もあれば、対応できる項目は内製し、依頼内容を絞ることでコストを抑えることも可能ですが、制作にかかる費用は依頼先の制作会社によって異なるため、あらかじめ制作会社と費用感を相談しておく必要もあります。
その上で、制作会社が費用を算出する方法は、主に以下の要素に分けられます。
工数別の試算
制作会社の多くは、業務工数に応じて費用を算出する傾向にあります。
例えば、10時間かかるディレクション業務だとしても、10万円のケースもあれば5万円の場合もあります。
この費用感は制作会社ごとに異なる場合が多いため、複数の制作会社の相場と照らし合わせながら依頼先を検討していく必要があります。
特にディレクションやデザイン、コーディングなどは工数が不明確なことも多いため、業務範囲を明確にしたうえで費用を算出することが効果的です。
制作ページ数別の試算
ホームページ制作にかかる費用は、制作するページ数に応じて試算されることも多くあり、例えば、1ページあたりの制作費が5万円であれば、10ページ制作した場合には50万円となります。
ただ、ページ数に応じた試算は制作するページの状況によっても異なり、TOPページと下層のコンテンツページでは制作要件も異なるため、ページあたりの費用が変わる場合もあります。
そのため、制作するページの要件をふまえながら費用を算出していくことが重要です。
なお、制作するページ数が多くなる場合には、ボリュームディスカウントとして費用が下がる可能性もあります。
機能やレベル別の試算
制作するページの要件は、掲載するコンテンツだけではなく機能やシステムのレベル感などによっても異なります。
より複雑なシステムを介したページや、プログラミングによってコーディングが必要なページなどは、通常のページよりも費用が高くなる傾向にあります。
このようなページ別の費用の差異は、ディレクションや設計時に固めた要件がもととなります。
そのため、単に工数やページ数だけでなく、全体像を踏まえた費用の見積もりが重要です。
ホームページ制作にかかる費用を算出する上での注意点
ホームページの制作は、さまざまな項目によって構成されているため、効果的に進めるためには各要素を適切に把握しておく必要があります。
また、各項目による費用も制作会社によって異なるため、コストを抑えつつ効果的な制作につなげるためには以下の要素を押さえておくと効果的です。
目的の明確化
ホームページを制作する目的は、企業によって多岐に渡ります。
名刺代わりに使うケースもあれば、認知度拡大やコンバージョン獲得を目的としたケースもあり、これらの目的によって、制作すべきホームページは変わってきます。
例えば、名刺代わりのホームページにシステム構築はあまり必要ではなく、一方で、認知度拡大を図るためにはSEOをふまえた制作も求められます。
このように、目的に応じて求める要件が変わるため、まずは社内において目的を明確化しておくことが重要です。
依頼する業務範囲の明確化
目的を明確にしたうえで、ホームページ制作にかかる項目を精査し、制作会社に依頼する業務範囲も明確化していくと効果的です。
例えば、デザイン制作にかかる素材の準備などは社内対応できる場合もあります。
また、社内で専任の担当者を配置できれば、ディレクションやプロジェクト管理を内製化できる可能性もあります。
より良いホームページ制作につなげる上で、制作会社に依頼することは必要不可欠です。とはいえ、コスト削減につなげるためには、業務範囲を明確化しておくことも有効です。
ランニングコストをふまえた費用の算出
サーバー設定・管理でもふれたように、ホームページ制作では初期費用だけでなくランニングコストもかかります。
保守管理以外にも、SEOでは毎月の依頼が必要になるケースもあります。
制作会社の中には、初期費用は安価でもランニングコストが割高になることも少なくありません。ホームページ制作にかかる費用は中長期的な視点でとらえ、費用対効果を意識しながら検討していくと効果的です。
まとめ
マーケティングにおいて欠かせないホームページ制作には、さまざまな項目が存在します。これら全体像を把握せずに制作を進めると、予算以上の費用がかかる可能性もあります。
また、制作内容によっては、内製化によりコストを抑えることも可能です。
今回紹介した内容も参考に、目指すべきホームページにおける要件を把握し、目的に応じて効果的な制作へとつなげていきましょう。