Googleから評価される企業サイトにするためには、検索エンジンの基本的な仕組みを把握しなければいけません。アルゴリズムや評価基準をもとに、SEO戦略を策定しましょう。
本記事では、Googleのガイドラインが示すSEO対策をわかりやすくまとめました。Google検索の仕組みやSEO対策の手順、成功させるためのポイントとあわせて紹介します。
Google検索の仕組みとは?
Googleがどのように検索順位を決定しているのか、基本的な仕組みを解説。検索結果に表示されるまでの期間とあわせて、チェックしてください。
検索結果に表示されるまでの流れ
Google検索では、クローラーと呼ばれるソフトが自動で情報を収集しています。基本的な流れは以下の通りです。
- クローラーが巡回して新しいページを発見する
- ページ上のコンテンツを解析して情報をインデックス(データベース)に保存する
- 収集した情報を分析して評価する
- キーワード検索をしたユーザーに最適な情報を提示する
コンテンツを更新しても、インデックスされないと検索結果には表示されません。SEO対策で成果を出すためには、クローラーに配慮したサイト設計が必要です。
検索結果に表示されるまでの期間
更新・変更をした内容が反映されるまでは、一定の時間がかかります。数時間ほどで検索結果に表示されることもあれば、数ヶ月かかることもあるでしょう。
SEO対策を実施したあとは、数週間ほどしてから結果を測定します。更新・変更したあと、必ずしも大きな変化があるとは限りません。定期的に効果を測定しながら、数値の変化を確認することが重要です。
SEOに影響するGoogleのアルゴリズムとは
アルゴリズムとは、Googleが検索結果を決めるためのルールのことです。より有益な情報を上位に表示して、ユーザーに提供します。
検索意図
ユーザーがなぜそのキーワードを入力したのか、目的やニーズを分析します。Googleの類義語システムは精度が高く、異口同音や入力間違いの判別が可能です。
最新の情報を上位表示させる「フレッシュネスアルゴリズム」は、とくに重要視されています。天気やスポーツの試合結果など、新しさが求められるキーワードには、最新の情報が提示される仕組みです。
キーワードとの関連性
Googleのアルゴリズムによって、インデックス内からキーワードと関連があるページをピックアップ。それから出現頻度や、タイトル・見出し・本文など使用されている箇所を分析します。
キーワードの一致率・出現率以外では、ユーザーのニーズにあった画像や動画があるのかも評価の対象です。そのためユーザーの検索キーワードと関連性が高いページが、上位に表示されやすくなります。
コンテンツの品質
検索ボリュームが多いビッグキーワードだと、候補となるページの数は膨大です。ユーザーにより有益な情報を提供するために、コンテンツの品質を分析します。
高品質なコンテンツは上位表示される可能性が高く、悪質なコンテンツと判断されればペナルティが科されることに。検索順位が極端に下がったり、検索結果に表示されなくなったりする可能性があります。
ユーザビリティ
ユーザビリティとは、ユーザーにとっての使いやすさのことです。以下のような項目を、判断基準とします。
- 複数のブラウザで正しく表示されるか
- ページがスムーズに表示されるか
- 異なるデバイスにも最適化されているか
さまさまな環境で正しく表示され、利便性が高いサイトほど高評価に。ユーザビリティのアルゴリズムは不定期に変更・追加されるので、確認しておきましょう。
コンテキスト(文脈)
Googleでは、ユーザーごとに異なる検索結果を表示します。地域や過去の検索結果から、個人にあわせて最適な情報を提供する仕組みです。
たとえば東京に住むユーザーが「レストラン」と検索した場合、東京のおすすめレストランが表示されます。ユーザー情報を除外した検索結果を確認したいときは、ブラウザのシークレットモードや専用のツールを使いましょう。
Googleが示す基本的な11つのSEO対策
Googleのガイドラインでは、SEO対策の基本として以下の項目を示しています。上位表示させるために、ぜひ実践してください。
検索キーワードを予測する
ユーザーがコンテンツを検索するときに使用するキーワードを、予測しましょう。そのテーマについてくわしい人とあまり知らない人では、使用するキーワードが異なるかもしれません。
ユーザー像を設定して、検索行動や検索キーワードの違いを意識してコンテンツを作成します。ただし、システムである程度は検索語句と関連性を把握できるので、すべての記事で細かく予想する必要はありません。
適切なタイトルをつける
ユーザーは、タイトルを読んで必要な情報があるか判断します。タイトルが検索ニーズとズレている場合、クリックしてもらえません。
- そのページ独自のタイトルにする
- ページの内容を正確に説明している
- 明確かつ簡潔でわかりやすい
上記を意識してタイトルを作成することが、SEO対策では重要です。検索結果で表示される文字数は限られているので、32文字以内を目安にしましょう。
過剰な公告は避ける
過剰な公告はユーザーの閲覧を妨げます。コンテンツへの集中を阻害するのはもちろん、ページの表示速度が遅くなりやすいので注意が必要です。
とくにスマートフォンの画面全体を覆うような公告(インタースティシャル)があると、ユーザーにストレスを与えることに。信頼の低下や離脱をまねく可能性があります。
類似のトピックをまとめる
ページ数が膨大なサイトの場合、構造がクロールやインデックス登録に影響を与えます。クローラーはディレクトリ(フォルダ)ごとにクロール頻度を判断。ディレクトリで分類すれば、コンテンツを階層的に整理することが可能です。
類似のトピックでまとめれば効率的なクロールが可能になり、新しいコンテンツがより早くインデックスされるように。ルートディレクトリ(上位のディレクトリ)ほど重要性が高いと判断されるため、適切に配置することでページの評価を高められます。
関連するページとリンクする
Googleのクローラーは、リンクを通して新しいページを発見します。さらに関連するコンテンツとつなげることで、ユーザーの利便性を高められるでしょう。
- 関連性の高いページ同士をリンクする
- 具体的かつ簡潔なアンカーテキストを設定する
- 他サイトにリンクする場合は信頼性を確かめる
信頼性が不確かなサイトにリンクしなければならない場合、「nofollow」を設定してください。リンク先との関連付けを防ぐことで、企業サイトへの悪影響を防止できます。
わかりやすいURLを使用する
Googleでは、シンプルでわかりやすいURLを推奨。長い数字や記号の羅列ではなく、意味が伝わる単語を使用することが望ましいとしています。
- 検索するユーザーの言語を使用する
- 単語を区切るときにはハイフン(-)を使用する
- 不要なパラメーターはなるべく減らす
- 大文字と小文字はどちらかに統一する
複雑で長すぎるURLは、ユーザーから警戒されやすくなります。心理的にクリックやコピーがしやすくなるように、視覚的にわかりやすいURLにしましょう。
メタディスクリプションで内容を説明する
Googleの検索結果には、ページの要約文(メタディスクリプション)が表示されます。ユーザーがページをクリックするかどうか決めるときの、重要な判断基準です。
- サイト全体ではなくページの内容を説明する
- コンテンツの関連情報を説明に含める
- 一部ではなくページ全体を要約した内容にする
- 具体的かつ端的にページの内容を説明する
上記のポイントを意識することで、質の高いメタディスクリプションを作成できます。ページの内容を簡潔かつわかりやすく表せばクリックされやすくなり、間接的にSEO効果を高められるはずです。
重複コンテンツを避ける
重複コンテンツとは、同じサイトの中で同じもしくは似たコンテンツが存在する状態のことです。Googleの検索結果では、コンテンツごとに表示するURL(正規URL)を選択しています。
特定の内容に関して同じ情報を掲載したページが複数あると、ユーザーの体験が悪化する可能性も。正規ページと比較してクロールの頻度が減りやすいので、重複コンテンツを減らすことが重要です。
画像・動画を最適化する
ユーザーは視覚的な情報から物事を判断するため、画像をキッカケにサイトを発見することもあります。クローラーが関連付けしやすいように、テキストと関連性が高い画像を用意しましょう。
- 写ってるものがわかる鮮明な画像を用意する
- 関連するテキストの近くに配置する
- 代替テキスト(画像の説明)を画像に追加する
動画をサイトに埋め込むときも同様に、関連するテキストの近くに画像を配置します。タイトルや説明欄では、動画の内容をわかりやすく説明したテキストを作成してください。
モバイルフレンドリーなサイトを作成する
Googleでは、スマートフォンのページ評価を対象とする施策(モバイルファーストインデックス)を発表しています。モバイルフレンドリーなサイトを構築することは、SEO対策でも重要です。
- 公告は邪魔にならないか
- ボタンやリンクがタップしやすいか
- テキストが読みやすいか
- 画像が鮮明に表示されるか
- ページの読み込み速度に問題がないか
スマートフォンでサイトを表示して、上記のポイントをチェックしましょう。複数のデバイスに対応できる、レスポンシブデザインを採用するのがおすすめです。
必要に応じてクロールを拒否する
robots.txtを使用すれば、サイトの一部もしくはすべてをクロールされないように制御できます。未完成のページや検索流入が見込めないページに使用するのが、一般的です。
質の悪いコンテンツがクロールされることで、検索順位が下がることも。意図的にクロールを拒否することで、サイトへの悪影響を防げます。
Googleが示すより効果的な4つのSEO対策
SEO対策は多岐にわたりますが、Googleでは以下のような施策はより影響力が高いベストプラクティスとしています。サイトを上位表示させるために、ぜひ実践してください。
信頼性が高く有益なコンテンツを作成する
Googleでは、質の高いコンテンツを高く評価しています。たとえば以下の条件を満たすコンテンツは、ユーザーにとって有益といえるはずです。
- 文量が読みやすく誤字脱字がない
- 最新の情報が提供されている
- 提供する情報に独自性や付加価値がある
- 誇張や誤った情報がない
- ユーザーの疑問やニーズを解消できる
役に立つコンテンツは、より多くのユーザーに共有されることに。SEOの評価向上に効果的な、良質な被リンクを集めることにもつながります。
キーワードを適切な場所に配置する
検索エンジンにページの内容を正確に伝えるためには、キーワードが必要です。ユーザーが検索するときに使用するキーワードを、目立つ位置やわかりやすい位置に配置します。
- タイトル
- 見出し
- 本文
- 代替テキスト
- リンクテキスト
- メタディスクリプション
同じキーワードでも順番を入れ替えると検索意図が変わるため、語順にも気を配りましょう。ただし、キーワードの乱用は逆効果なので、不自然にならないよう適切に使用してください。
サイトに関する情報を積極的に発信する
サイトに関する情報を積極的に発信して、ユーザーの興味を引きましょう。以下のような方法で、サイトを知ってもらうことが重要です。
- SNS
- コミュニティ
- 公告
- メール配信
- ポータルサイト
- プレスリリース
サイトに関する有益な情報を発信すれば、ファンを増やせます。サイトや企業へのエンゲージメント(愛着・思い入れ)が強くなり、さらなる成果につなげられるはずです。
各コンテンツでそれぞれ施策を実行する
インデックスに登録する場合、コンテンツによって要件が異なります。各コンテンツごとに、最適な施策を実施しなければいけません。
画像 | HTML要素を使って埋め込む 画像サイトマップを使用する レスポンシブ画像に対応する サポートされている形式を選択する ページの読み込み速度への影響を考慮する 関連テキストの近くに配置する |
動画 | HTML要素を使って埋め込む サポートされている形式を選択する 固定されたURLを使用する 関連テキストの近くに配置する 各動画専用に動画再生ページを作成する 高画質なサムネイル画像を指定する |
構造化データ | サポートされている形式を選択する 開発中は構造化データのテストをする 構造化データの有効性を確認する |
JavaScript | 互換性のあるコードを作成する 意味があるHTTPステータスコードを使用する リンクタグを適切に挿入する 長期保存キャッシュを活用するア クセシビリティを考慮して設計する フラグメントではなくHistory APIを使用する |
上記を実行することで、インデックスに正しく登録されやすくなります。各コンテンツごとの施策を網羅的に実行して、SEO効果を高めることが重要です。
Googleが示す品質の高いコンテンツの作成方法
上記でも説明しましたが、Googleでは質の高いコンテンツを重視しています。より具体的な作成方法をまとめました。
E-E-A-Tを取り入れる
E-E-A-Tとは、Googleがコンテンツの品質を評価するときの基準です。
Experience(経験) | 独自の経験が織り込まれているか |
Expertise(専門性) | 専門的な知識をもとに執筆されているか |
Authoritativeness(権威性) | 第三者から高い評価を得ているか |
Trustworthiness(信頼性) | コンテンツや情報が信頼できるか |
検索順位には直接影響しませんが、品質の高いコンテンツを作成するための指標に。健康・安全、経済、法律などに関連するテーマ(YMYLジャンル)では、とくに上記の項目が重要視されます。
ユーザー目線でコンテンツを作成する
検索エンジンでの上位表示を目的とした場合、ユーザーのニーズは満たせません。ユーザーのことを第一に考えて、有益なコンテンツを作成しましょう。
- ユーザー像を想定しているか
- あらゆるテーマで無計画にコンテンツを作成していないか
- AIツールに頼りすぎていないか
- 他社の意見の要約になっていないか
- 読み終わったあと再度検索する必要はないか
- 内容を更新していないのに日付だけ変更していないか
上記のチェックリストに該当する場合、コンテンツの作成方法を見直す必要があります。SEO対策とあわせて、ユーザー目線でコンテンツを作成することが重要です。
誰が・どのように・なぜ作成されたのか明確にする
Googleに評価されるコンテンツを作成するためには、以下のポイントが大切です。
誰が | コンテンツの著者は明確か しかるべき場所に著者の紹介文があるか 紹介文で著者の専門分野・背景がわかるか |
どのように | レビューやアンケートなどの条件・方法を提示しているか AIを使用している場合は提示しているか |
なぜ | ユーザーのために作成されているか |
上記の項目を前提にコンテンツをチェックすることで、客観的な視点で評価できます。誰が・どのように・なぜ作成されたのか曖昧な場合は、見直しが必要です。
SEO対策の手順を5ステップで紹介
SEO対策の具体的な手順をまとめました。効果的な施策を実施するための6ステップを、わかりやすく解説します。
ステップ1:現状を分析する
まずサイトの現状を分析します。
- キーワードの検索順位
- トラフィック
- 被リンク
- ページの読み込み速度
- 問い合わせ数
- ユーザーの行動データ
上記のようなデータを参考に、サイトが抱える課題を明確にしましょう。競合サイトと比較しながら、成果がでない原因や改善点を分析してください。
ステップ2:指針を定める
SEOで成果を出すためには、まず指針を明確に定めることが重要です。
- 目標を設定する
- 優先順位をつける
- KPIを設定する
- 施策とスケジュールを決定する
指標(KPI)を設定すれば、目標達成までの進捗を把握できます。クリック数や検索順位、コンバージョン率など、目標と関連性が高いKPIを選択しましょう。
ステップ3:キーワードを選定する
設定した目標を達成するためには、選定するキーワードが重要です。
- 月間の検索数
- 検索ニーズ
- 競合サイトの状況
- 上位表示された場合に予想される成果
上記のポイントを考慮して、サイトにとって最適なキーワードを選びましょう。「Google Keyword Planner(キーワード プランナー)」など、ツールを活用してください。
ステップ4:コンテンツを作成する
キーワードの検索意図にそって、コンテンツを作成します。課題・悩みを想定して、ユーザー像(ペルソナ)を設定しましょう。
ユーザーの目線にたち、必要とされる情報を過不足なく伝えることが重要です。見出しや段落、箇条書き(リスト)を活用して、わかりやすく読みやすいコンテンツを作成します。
ステップ5:効果を測定して改善する
SEO施策を実施したあとは、効果測定を必ず行います。「Google Analytics(アナリティクス)」や、「GoogleSearch Console(サーチコンソール)」など、ツールを活用してください。
キーワードの順位変動や、競合サイトとの差などをチェック。効果測定の結果をもとに、コンテンツの追加やリライトなど、新しい施策を実施しましょう。PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を継続して回し、成果を高めることが大切です。
まとめ
Googleに評価される企業サイトにするためには、ガイドラインを参考にする必要があります。検索エンジンの仕組みやアルゴリズムを知ったうえでSEO対策をすることが、大きな成果につながるはずです。
Googleが提示する効果的なSEO対策を参考に、戦略を定めましょう。SEO対策に関する専門的な知識に不安があるなら、プロフェッショナルである制作会社に依頼することを検討してください。